「糖質制限vs脂質制限」どっちが効果的?ダイエット法の選び方を管理栄養士に聞きました

「ダイエットするには、ごはんと揚げ物どちらを我慢したらいいのかな……」そんなお悩みはありませんか?糖質制限や脂質制限についてはさまざまな情報があり、ダイエットにどちらの方法を選ぶべきなのかがわかりにくいですよね。そこで、今回は効果的なダイエット法の選び方を、管理栄養士の小原水月さんに伺いました。
 Sheage編集部

糖質制限と脂質制限はどっちがいいの?

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糖質と脂質の過剰摂取が体脂肪の増加につながるといわれていますが、どちらを制限した方がダイエットに効果があるのでしょうか。糖質制限と脂質制限のそれぞれの特徴をお伝えします。

糖質制限のメリット

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糖質制限とは、糖質(炭水化物)の摂取を控えるダイエット法です。大きなメリットは、短期間でダイエット効果が出やすい点です。

糖質制限では、以下にあげるような、糖質を多く含む食品を控えてダイエットを行います。

・ごはん、パン、麺などの穀類
・じゃがいも、さつまいもなどの芋類
・あずき、いんげん豆などの豆類
・スイーツや甘い飲料など甘味嗜好品類

糖質は水分を抱え込む性質があります。糖質制限をすると、体内の糖質量の減少に比例して水分も減るため、短期間で体重が落ちると感じる人が多いようです。

糖質の働き

糖質は脳や神経組織、赤血球、筋肉など全身のエネルギー源になり、アクティブに毎日を過ごすには欠かせない栄養素です。また、水分を抱え込む性質があり、肌の潤いやハリにも影響します。

不足すると疲労感、眠気、集中力の低下、肌の乾燥などが起こりやすくなります。

糖質過剰のリスク

糖質といっても、太りやすい糖質とそうでない糖質があります。

太りにくい糖質とは、穀類、芋類、豆類に含まれる糖質。これらは分子が大きく消化吸収がゆっくりと行われ、血糖値の上昇も緩やかです。また、いつも以上に多く摂っても脂肪になりづらいとの報告があります。

気をつけたいのは分子が小さい糖質です。スイーツや甘い飲料に含まれる糖質は分子が小さく速やかに吸収され、血糖値を急上昇させる心配があります。

血糖値が高い状態が続くとからだに負担がかかるため、からだは血糖値を下げようとはたらきます。すると、糖は中性脂肪に変換され脂肪細胞に貯蔵されます。この状態が続くと、体脂肪の増加につながります。

糖質が多くなりがちな食事パターン

分子の小さい糖質が多くなりやすい食事は「パン食」です。パンの材料には分子の小さい糖質が使われていますし、菓子パンを選ぶとさらに量が増えます。

プレーンなパンにジャムやスプレッドを塗ることで糖質量アップ。食事に添える飲み物も、市販のカフェオレなど甘味を感じる飲み物には糖質が多く含まれている可能性があります。

そして、パン食は消化が早く、腹持ちしないからと間食やおやつを食べると、さらに糖質を摂る機会が増えてしまうのです。

脂質制限のメリット

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脂質制限とは、もうひとつのエネルギー源である脂質を控えるダイエット法です。

メリットとして、脂質は質量に対してカロリーが非常に大きいため、カロリーを大幅に抑えられる点があげられます。

脂質制限では、食材だけでなく調理法なども工夫しながらダイエットを行っていきます。具体的には、食材と調理法、味付けの3つのポイントを抑えることが重要とされています。

・鶏モモ肉、豚のバラ肉、さば、アボカドなど脂質の多い食材を避ける
・炒める、揚げるではなく、蒸す、ゆでるなど油を使わない料理法を選ぶ
・洋食や中華よりも和食の献立にすると脂質を避けやすい

脂質は貯蔵エネルギーとしてため込まれやすいため、脂質を抑えることで体脂肪を増加しにくくします。

脂質の働き

脂質も全身のエネルギー源になりますが、とくに貯蔵エネルギーとして重宝します。また、ホルモンや細胞膜の材料にもなるため、健やかな肌を維持するのに欠かせない栄養素ともいえます。

不足すると肌荒れや便秘、月経不順などが起こりやすくなります。

脂質過剰のリスク

多く摂り過ぎた脂質は脂肪細胞にため込まれ、体脂肪を増やします。体脂肪が増えすぎるとボディラインが丸くなる、おなかがぽっこりするという見た目の変化だけでなく、生活習慣病をエスカレートさせる心配も。

とくに酸化した脂質には活性酸素が多く含まれ老化を促進するので、肌のシミやしわ、動脈硬化やがんの原因にもなります。

脂質が多くなりがちな食事のパターン

おかず中心の食事が続くと脂質が多くなりがちです。

品数が増えると調理油を含めた調味料の使用量が増えます。低脂質な食材を選んでも市販のドレッシングやタレを使うと意外と油を多く摂ることになるのです。

また、総菜や冷凍食品は油が使われていることが多く、想像以上に脂質を摂ることにつながります。

糖質も脂質も悪くない!正しい知識でダイエットすることが重要

糖質と脂質は元気できれいに過ごすために重要な働きをします。足りなくても多すぎても、どこかスッキリせずからだに負担をかけることに。

糖質制限・脂質制限どちらにもいえることですが、過度な制限はからだの負担になってしまいます。特定の栄養素を制限するのではなく、必要量はしっかり確保し、多くなり過ぎない工夫ができるといいですね。

糖質制限・脂質制限の正しいやり方

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糖質と脂質を過不足なく摂るには、食材や料理を選ぶのではなく、「型」を決めると簡単で続けやすくなります。具体的な方法をご紹介しますね。

糖質制限のやり方

糖質を過不足なく摂るには、ごはん食がおすすめです。

18歳〜49歳の女性の日本人の食事摂取基準(2020年版)で推奨されている1日の糖質の量はおよそ300g。ごはんでいうとお茶碗5膳〜6膳です。

ごはん、味噌汁、おかずの組合せであれば分子の小さな糖質は入りづらく、また腹持ちがいいので間食も不要になります。

脂質制限のやり方

一汁一菜の献立にすると、必要以上に脂質を摂らずにすみます。

18歳〜49歳の女性の日本人の食事摂取基準(2020年版)で推奨されている1日の脂質の量はおよそ56g。食用油大さじ4くらいです。

ごはんと味噌汁の脂質は少ないですし、おかずが一品であれば食材や調理法、味付けに神経質にならなくても大丈夫。我慢することなく脂質を抑えられます。

食事制限に+αしたい「漢方薬」

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食事には気をつけているけれど、なかなか痩せられない方には、自然由来の漢方薬がおすすめです。

漢方薬は内科や婦人科のダイエット外来などでも使われていて、脂肪を吸収しにくくする、燃焼する、排出するなどの効果をもつ漢方薬もあります。
体重を落とすだけでなく、体質を根本的に変えることで、太りにくいからだを目指せます。
食事とあわせて、暮らしに漢方薬を取り入れてみませんか?

ダイエットにおすすめの漢方薬2種

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
からだの余分な熱を冷まし、脂質代謝や水分代謝を整える働きがあります。おなかが張る、便秘、むくみが気になるときに用いられます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
血流をよくする働きがあります。便秘やめまい、頭痛、不安やイライラがあるときに用いられます。

漢方薬を選ぶときのポイントとは

漢方薬を使うときに大切なのは、自分の体質や状態に合った薬を選べるか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることも。

どの漢方薬が自分に合っているのかをご自身で見極めるのは難しいかもしれませんが、最近ではAI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めてお手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。

食事を整えてからだの内側から元気とキレイを手に入れる

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スリムなからだは魅力的ですが、食事を制限するのはつらいですよね。また過度な制限はからだの負担となってしまいます。栄養素に善悪をつけるのではなく、全体のバランスを整えて食事を楽しみましょう。

また、健康のためには心身のバランスを整えてくれる漢方薬を取り入れるのも選択肢のひとつ。一度、信頼できる専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

あんしん漢方
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