狭くても心地よく。「小さな家」で快適に暮らす3つのヒント

希望するエリアに広い物件が見つからない時、あるいは今住んでいる家が狭くて困っている時、あなたならどうしますか。暮らしにくさを感じるかもしれませんが、「狭い=使いにくい」と決めつけてはもったいないかも。今回は、「小さな家」で心地良く暮らすヒントをご紹介します。
 伊野 奈緒美

1.まずは「モノ」との付き合い方を見直す

本当に残したいモノを選びとろう

居心地のよい空間づくりで、大切なポイントになるのが「モノが厳選されていること」です。もしあなたが今の家に不満を持っているとしたら、少しだけ「モノを持ち過ぎている」ことが原因かもしれません。そんな時、モノを見直す機会をつくってみてはいかがでしょう。「本当に好きなモノ」だけに囲まれた暮らし、考えただけでもワクワクしてきませんか。

モノを厳選するステップは以下のとおり。

1.持ち物がどれだけあるか把握する
2.「いるモノ」「いらないモノ」「保留したいモノ」に分ける
3.いらないモノを処分、もしくはリサイクル・人に譲る
4.保留したいモノは一時的に保管。少し時間を置いて冷静に判断する

これらのステップを踏んでモノを厳選してから、収納に移りましょう。

収納家具に合わせてモノを調整

モノを厳選したら適切な場所に収納します。この時、できるだけ「今ある収納量」に合わせて持ち物を調整するのがベター。モノが多いからと収納家具を増やしていくと、収納アイテムがお部屋をどんどん圧迫していきます。

たとえば、食器は普段よく使うモノやお気に入りだけを食器棚に入る分だけ残す、洋服はクローゼットや収納ケースに合わせて枚数を調整するなど、「収納スペースに入る分だけ」を心がけるとすっきりとした空間をキープしやすくなります。

2.空間を広々と見せる家具選び&レイアウト

お部屋を広く見せる家具は?

空間を広く使うためには、「家具選び」も大切なポイントです。限られた空間をより広く見せてくれるのは、奥行きの浅いスリムタイプや背の低いロータイプの家具。特にロータイプの家具は、視界を遮らず天井までの空間が広々と見えるため、開放的な空間づくりに欠かせません。もし、収納力に優れた背の高い家具が良いという場合は、背板の入っていない棚を選ぶのがおすすめ。抜け感のあるオープン棚なら、圧迫感を抑えることができます。

家具の配置を工夫して開放感を生み出そう

狭さを感じさせない、開放感のある空間づくりを目指すなら、家具の配置も意識してみてください。家具を壁側に寄せて中央に空間ができるようにすると、広々とした印象に。

また、空間をゾーニングしたい場合は、背の低い家具で緩やかに仕切るのがおすすめです。お部屋の手前には床が見える脚付きの家具や低めの家具を、インテリアグリーンなど視界を遮るアイテムは、お部屋の奥に置くと奥行きを感じさせて開放感を生み出します。

3.お部屋を広く見せる色使いや照明は?

インテリアの色は「ベースカラー」を中心に

床・壁・天井など、お部屋の基調となる「ベースカラー」。空間が広く見えるのは白ですが、真っ白だと光を反射して眩しく感じてしまいます。目に優しいアイボリーや明るいベージュを選ぶのがおすすめです。またお部屋を広く見せたいなら、大きな面積を占めるカーテンはベースカラーに合わせて選ぶと良いでしょう。カーテンが壁や天井の色になじみ、実際よりもより広く感じられますよ。

お部屋をすっきりと広く見せる照明は?

限られた空間を素敵に演出するなら、照明にもこだわってみましょう。お部屋をすっきりと広く見せるためには、「目立たせたいところ」をメインに照らすことを意識してみてください。モノが少なく広々とした場所を中心に照らすことで、整った印象を与えます。

また、照明のタイプは圧迫感のないものを選ぶのがベター。吊り下げるタイプのペンダントライトは、視界を遮ってしまうためメイン照明としては不向き。天井に直付けする「シーリングライト」なら、全体照明として部屋をすっきりと開放的に見せてくれます。

工夫次第で心地よく。小さな家を「自分らしく」楽しもう

小さな家でも工夫次第で心地よく暮らすことはできます。また、広い家に比べて、掃除がラク、モノを厳選しようという気持ちが保てる、好みのインテリアを実現しやすいなどメリットもたくさんあるのです。「シンプルに暮らす」ことを意識すれば、きっとあなたらしい「心地よい暮らし」が実現することでしょう。ぜひ、家づくりのヒントにしてみてくださいね。

<監修・記事執筆>

伊野 奈緒美
リフォームスタイリスト3級
カラーコーディネーター2級
文部科学省後援 リビングスタイリスト2級 取得

https://naomi-spring.com/

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