マリメッコの精神を引き継ぐ、三者三様の個性『マリメッコ・スピリッツ展』
オリジナリティ溢れるデザインと色彩センスにより、日本をはじめ世界各国にファンを持つマリメッコ。現在、銀座にあるギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、マリメッコの現在を支えるデザイナーの3名に焦点をあて、創作に迫った『マリメコ・スピリッツ展』を開催しています。
- 2017.11.30
- アート・カルチャー
フィンランドのブランド、マリメッコ
独創的な柄と巧みな色づかいで私たちを魅了する、フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ (marimekko) 」。大胆なプリント、鮮やかな色彩…一度はその商品を手に取ったり、見かけたりしたことがある方が多いのではないでしょうか?
職人の手技と近代的な工業化の融合がはじまったフィンランドで、明確なヴィジョンと鋭い感性を持った女性、アルミ・ラティアにより、マリメッコは誕生しました。彼女は、才能あるデザイナーを発掘する能力にたけており、1951年の立ち上げ当初からデザイナーが自由に創作意欲を発揮できる環境を整え、時代を超えて愛され続けることとなる代表的なデザインパターンを次々と生み出していきました。
制作されたパターン一つひとつに名前をつけ、デザイナー名と制作年をテキスタイルに明記する革新的な伝統は、作家の創造性を大切にする理念とともに今日まで受け継がれています。
マリメッコの力強いパターンとユニークな色使いは、1951年以降世界中の日常を豊かなものにしていきます。無駄を削ぎ落とした馴染み深いマリメッコのグラフィカルなパターンは、まるで建築物のような存在感を放つ一方で、自由で有機的な解釈を垣間見ることができます。また、その随所には自然の中で過ごす心地よさやフィンランドの伝統的な装飾がふんだんに表現されています。
マリメッコは両極端なこれらの要素の間に存在する、たくさんの興味深いニュアンスの集大成であり、常に生まれ変わり続けています。
職人の手技と近代的な工業化の融合がはじまったフィンランドで、明確なヴィジョンと鋭い感性を持った女性、アルミ・ラティアにより、マリメッコは誕生しました。彼女は、才能あるデザイナーを発掘する能力にたけており、1951年の立ち上げ当初からデザイナーが自由に創作意欲を発揮できる環境を整え、時代を超えて愛され続けることとなる代表的なデザインパターンを次々と生み出していきました。
制作されたパターン一つひとつに名前をつけ、デザイナー名と制作年をテキスタイルに明記する革新的な伝統は、作家の創造性を大切にする理念とともに今日まで受け継がれています。
マリメッコの力強いパターンとユニークな色使いは、1951年以降世界中の日常を豊かなものにしていきます。無駄を削ぎ落とした馴染み深いマリメッコのグラフィカルなパターンは、まるで建築物のような存在感を放つ一方で、自由で有機的な解釈を垣間見ることができます。また、その随所には自然の中で過ごす心地よさやフィンランドの伝統的な装飾がふんだんに表現されています。
マリメッコは両極端なこれらの要素の間に存在する、たくさんの興味深いニュアンスの集大成であり、常に生まれ変わり続けています。
引き継がれる“マリメッコ精神”
本展覧会では、そんなマリメッコの現在を支えるパターンデザイナーの中から3名、パーヴォ・ハロネン、マイヤ・ロウエカリ、アイノ=マイヤ・メッツォラ-に焦点をあて、その仕事と作品からマリメッコが現在において紡ぎ出した物語に迫ります。
マリメッコの代表パターン各4点をはじめ、オリジナル作品や各作家のインタビュー映像などを通して、三者三様の個性を紹介。一方で、65年以上もの間不変的に受け継がれてきた、彼らに共通する“マリメッコの精神”を俯瞰します。
パーヴォ・ハロネンは自然からインスピレーションを受け、有機的な抽象パターンに転換することを得意としているそうです。マイヤ・ロウエカリは、明るくグラフィカルなデザインが特徴的。そして、アイノ=マイヤ・メッツォラは、水彩筆やフェルトペンなど、多彩な画材によって、柔らかで繊細な表現から大胆で鮮やかな表現まで、幅広いデザインを紡ぎ出しています。デザイナーたちの個性とスタイルが生かされたデザインから、それぞれの表現の柔軟さと偽りのなさを感じ取ることができました。
マリメッコの代表パターン各4点をはじめ、オリジナル作品や各作家のインタビュー映像などを通して、三者三様の個性を紹介。一方で、65年以上もの間不変的に受け継がれてきた、彼らに共通する“マリメッコの精神”を俯瞰します。
パーヴォ・ハロネンは自然からインスピレーションを受け、有機的な抽象パターンに転換することを得意としているそうです。マイヤ・ロウエカリは、明るくグラフィカルなデザインが特徴的。そして、アイノ=マイヤ・メッツォラは、水彩筆やフェルトペンなど、多彩な画材によって、柔らかで繊細な表現から大胆で鮮やかな表現まで、幅広いデザインを紡ぎ出しています。デザイナーたちの個性とスタイルが生かされたデザインから、それぞれの表現の柔軟さと偽りのなさを感じ取ることができました。
三者三様の“JAPAN”を表現
フィンランド生まれ、フィンランド育ち。一度も来日したことのない彼らは、本展覧会に合わせて、“JAPAN”というテーマで新作パターンに挑戦しています。
ガラスケースに入っているのは、参考にした素材と制作過程を垣間見れるアイディアラフ。そして、会場内には映像も上映されています。彼らのインスピレーションから生まれた“JAPAN”の原形が、高度な技術と情熱を持ったマリメッコの専門家たちの手によって、どのようにパターン化され、生地として完成するのか工程の一端を鑑賞することができます。
同じテーマにもかかわらず、1人は日本庭園や寺院からヒント得て、苔寺の愛称をもつ西芳寺の風景を取り入れたものや、1人は東京の街中を鮮やかな服に身を包んだ人々が行き交う様子を捉えたもの。そして、1人は日本の芸術や映画にインスパイアされたものと、デザイナー各人の解釈も、表現も全く異なります。ぜひ、3人の個性に注目してみてください。
ガラスケースに入っているのは、参考にした素材と制作過程を垣間見れるアイディアラフ。そして、会場内には映像も上映されています。彼らのインスピレーションから生まれた“JAPAN”の原形が、高度な技術と情熱を持ったマリメッコの専門家たちの手によって、どのようにパターン化され、生地として完成するのか工程の一端を鑑賞することができます。
同じテーマにもかかわらず、1人は日本庭園や寺院からヒント得て、苔寺の愛称をもつ西芳寺の風景を取り入れたものや、1人は東京の街中を鮮やかな服に身を包んだ人々が行き交う様子を捉えたもの。そして、1人は日本の芸術や映画にインスパイアされたものと、デザイナー各人の解釈も、表現も全く異なります。ぜひ、3人の個性に注目してみてください。
共鳴し合える感性
マリメッコのパターンや色使いは、古今東西人々を魅了し続けています。本展覧会の3名による作品は、そんなマリメッコの“今現在”を限りなく横断的かつ多彩に表現したものです。個性的なスタイルを持ったデザイナーたちが、それぞれの興味から得た刺激を具現化している一方で、どの作品も“自然界の美を取り入れ、シンプルなものづくりを目指し、日常生活を豊かにする”というフィンランドデザインの精神が息づいているのが垣間見えます。
マリメッコの精神に触れ、そして自分の感性を改めて見つめ直すことで、ライフスタイルを豊かにするヒントを見つけることができるかもしれません。多忙な人が行き交い、消費される街中で、大切なことを見つけられる本展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
マリメッコの精神に触れ、そして自分の感性を改めて見つめ直すことで、ライフスタイルを豊かにするヒントを見つけることができるかもしれません。多忙な人が行き交い、消費される街中で、大切なことを見つけられる本展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
photo / 新麻記子
マリメッコ・スピリッツ展
会期:12月28日(木)~1月4日(木)
場所:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
開館時間:11:00~19:00
休館:日曜・祝日
入場無料
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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