放置すると危険な“夏バテ”サイン。日常に潜む意外な原因&今日からできる3つのセルフケア

「夏になると食欲が減退してしまう」「仕事や勉強に集中できない」などの悩みを抱えていませんか?もしかするとその原因は、夏バテかもしれません。現代のライフスタイルや夏の厳しい環境によって、知らず知らずのうちに夏バテの症状に悩まされていることも。今回は、夏バテを引き起こす意外な原因や、実践できる効果的なセルフケア方法をご紹介します。
 Sheage編集部

なぜ?夏バテを引き起こす意外な原因

現代社会を生きる人々の日常生活のなかには、夏バテを引き起こすさまざま要因が潜んでいます。

1.不規則な生活リズム

夜型の生活や慢性的な睡眠不足、朝食を抜いたりインスタント食品で済ませたりなどの偏った食生活が続くと、体温調節や内臓の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経が乱れると、暑さへの適応力が低下し、夏バテの症状が現れるのです。

2.室内外の激しい温度差

夏になると、エアコンが効いた涼しいオフィスや店舗と、厚さの厳しい屋外を行き来することが多くなります。この急激な温度変化にからだが対応しようとすることで、自律神経は大きな負担を強いられることに。これが、いわゆる「冷房病」や「クーラー病」に近い状態を引き起こし、だるさ、頭痛、食欲不振といった夏バテの症状につながります。

3.冷たい飲食物の過剰摂取

暑いと、どうしても冷たい飲み物やアイスクリーム、そうめんや冷やし中華といった冷たい麺類に手が伸びがちです。しかし、これらの冷たいものは胃腸を直接冷やし、消化酵素の働きを鈍らせ、消化機能を低下させてしまいます。その結果、食欲不振や胃もたれ、下痢などを引き起こし、栄養吸収も悪くなってしまうのです。

4.仕事などによるストレス

仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、将来への不安など、現代社会は多くのストレスに満ちています。慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、免疫力を低下させ、夏バテの症状を悪化させる大きな要因となります。

今日からできる!夏バテ撃退セルフケア

夏バテのサインを感じたら、早めの対策が肝心です。日常生活のなかで少し意識するだけで実践できる、効果的なセルフケア方法をご紹介します。

1.「気」と「潤い」をチャージする食生活

・消化に良いものを意識して選ぶ
夏バテで食欲がないときは、胃腸に負担をかけない、温かいものや消化しやすい調理法のものを選びましょう。野菜たっぷりのスープや味噌汁、煮物、おかゆ、雑炊、柔らかく煮込んだうどんなどがおすすめ。水分も一緒に摂れるため、脱水予防にも繋がります。

・夏野菜を賢く活用する
きゅうり、トマト、ナス、冬瓜、ゴーヤといった夏野菜には、からだの余分な熱を冷ます働きがあり、火照ったからだをクールダウンさせてくれます。ただし、もともと冷えやすい体質の方や、冷房の効いた室内にいることが多い方は、生で食べすぎないように要注意。

・酸味と辛味を上手にプラスして食欲アップ
食用不振には、梅干し、レモン、お酢を使った酢の物などの酸味が効果的。酸味は唾液や胃液の分泌を促し、消化を助け、食欲を増進させる効果があります。また、生姜やネギ、ミョウガ、少量の唐辛子などの適度な辛味には、胃腸を刺激して食欲を増進させたり、発汗を促して新陳代謝を高めたりする働きが期待できます。

2.正しい方法でこまめに水分補給

夏は意識しなくても大量の汗をかくため、こまめな水分補給が非常に重要です。脱水状態は、夏バテの症状を悪化させるだけでなく、熱中症のリスクも高めます。

のどが渇いたと感じたときには、すでにからだは水分不足のサインを出しています。そうなる前に、1回に飲む量はコップ1杯程度(150~200ml)とし、1日に何度も分けて、こまめに水分を摂るようにしましょう。とくに、起床時、運動前後、入浴前後、就寝前などは水分補給の重要なタイミングです。

3.自律神経を整える、夏バテ知らずの快眠術

質の高い睡眠は、日中の活動で疲れた心身を回復させるだけでなく、自律神経のバランスを整え、免疫力を高めるためにも不可欠です。夏の寝苦しい夜でも快適に眠れるよう、寝室環境を整えましょう。エアコンや扇風機を上手に使い、寝室の温度は26~28℃程度、湿度は50~60%程度を目安に保ちます。

また、就寝前のスマートフォンやパソコン、テレビなどの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させてしまい、寝つきを悪くする原因に。就寝1時間前からはこれらの電子機器の使用を控えるようにしましょう。また、カフェインを含む飲み物やアルコールも、睡眠の質を低下させるため、就寝前4時間程度は摂取を避けるのがベターです。

夏バテには漢方薬もおすすめ

日々のセルフケアを試しても、なかなか夏バテの症状が解消しない場合や、根本的に夏バテしにくいからだを作りたい場合には、漢方薬の力を借りるのも一つの有効な手段です。漢方薬は、個々の体力や症状だけでなく、何よりもその人の体質を重視し、心とからだ全体のバランスの乱れを整えることで、本来持っている自然治癒力を引き出すことを目的としています。

効果を最大限に引き出すためには、ご自身の体質や症状に合ったものを選ぶことが非常に重要。自己判断で選ぶのではなく、必ず漢方に詳しい医師や薬剤師、登録販売者に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしてください。

自分に合ったケアで、夏を快適に楽しもう

現代の忙しいライフスタイルや、年々厳しさを増す夏の環境は、知らず知らずのうちに心身に大きな負担をかけ、夏バテを引き起こす可能性があります。

まずは夏バテが起こる原因を正しく理解することが大切です。そして、バランスの取れた食事、質の高い睡眠、こまめな水分補給などのケアを意識的に取り入れてみましょう。これらは夏バテ予防だけでなく、長期的な健康維持にとっても重要です。自分に合ったケアを見つけて、夏を思いっきり満喫しましょう!

山形 ゆかり(やまがた ゆかり)

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-YouTubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

保有資格:
・薬剤師
・薬膳アドバイザー
・フードコーディネーター


あんしん漢方へのリンク:

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