メンタルを強くする方法は?落ち込みやすい人の特徴と、おすすめのメンタルヘルスケア方法

ストレス社会を生きる私たちは、日々たくさんのストレスにさらされています。あまりストレスを受けすぎると、メンタルの不調につながることも。仕事や対人関係はもちろん、季節や気候もメンタル不調の原因になるのです。今回は、落ち込みやすい人の特徴とその対処法を、あんしん漢方の薬剤師、円山真由佳さんに伺いました。
 Sheage編集部

あなたのメンタルは大丈夫?

雨の日や湿気が高い日が多い6~7月メンタルを崩しやすい時季です。その理由は「気圧」と「自律神経」にあります。

自律神経の役割は、生きていくうえで欠かせない生命活動を維持すること。活動量の多い日中には交感神経が、活動量の少ない夜には副交感神経が優位になることで、からだと心のバランスを整えているのです。

しかし、気圧と自律神経には関係があり、気圧の低い雨の日には交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなることがあります。その際、副交感神経が活発になりすぎると、気分の落ち込みを感じてしまうのです。

加えて、雨の日は外が薄暗かったり、雨で服が汚れたり、湿気が多いと蒸し暑さで気がめいったりと、ネガティブになりやすい要素がたくさんあります。
そのため、梅雨頃は心が不安定になりやすく、メンタル不調が長引きやすい季節だといえるでしょう。

メンタルを崩しやすい人はこんな人

メンタルが不安定になりやすい人には特徴があります。その特徴をまとめた以下の項目に当てはまる人は、不調に陥る前にしっかり対策しましょう。

・真面目
何事にも一生懸命取り組む人はとても立派ですが、自分を追い込み過ぎたり、できなかった自分を必要以上に責めてしまったりと、落ち込んでしまいがちです。

・責任感が強い
責任感が強い人は、人間関係において深く信頼され、ビジネスシーンでも重宝されますが、その結果キャパシティを超えた仕事を振られてしまうことも。強い責任感から、無理して仕事を遂行し、心身ともに疲れてしまうことがあります。

・完ぺき主義
何もかも完ぺきに成し遂げたいとストイックに取り組むのは素敵なことですが、そうした人は失敗してしまったり、うまくいかなかったりすると、イライラしたり落ち込んだりとメンタルを崩しやすくなる傾向があります。

・道徳観が強い
道徳観が強い人は、人の痛みに敏感だったり、社会的不条理が許せなかったりと、普通の人が感じない部分でもストレスを感じてしまうため、落ち込みやすいといえるでしょう。

メンタルが落ちてしまったときにおすすめの対処法

メンタルが不安定になると、無気力になったり、まわりの人に当たってしまったり、そんな自分を責めてしまったりと、いいことがありませんよね。そうなる前に、自分なりの対処法を見つけておきましょう。

(1) 美味しいものを食べる
お腹が空いている状態は、イライラしやすく、幸福感が減少するといわれています。そのため、空腹を満たすのは、簡単にできる対策のひとつです。自分の好きなものを食べるのももちろんOKですが、ちょっと贅沢なものやずっと行きたかったお店を選ぶなど、いつもと違う選択をすることで、特別感が増しますよ。

(2) 物語の世界に入りこむ
本、ドラマ、映画など自分の好きな作品に没入するのも◎。物語に集中して、悩みや不安から一旦距離をおき、頭をリセットさせましょう。魅力的なキャラクターや好きな俳優を見ることで元気が出たり、登場人物の行動や言葉に救われたりすることもあるかもしれません。

(3) からだを動かす
部屋に閉じこもって考え続けていても、うつうつとするばかり。そんなときは、思いっきりからだを動かし、汗を流しましょう。汗をかくことで新陳代謝がよくなりスッキリしますし、肉体的な疲労を感じると良質な睡眠をとりやすくなります。さらに、運動を長期的に続けていけば、幸せホルモンのセロトニンを分泌しやすくなったり、シェイプアップにもつながったりとよいことがたくさんあります。心身の健康のため、からだを動かす習慣を作っておくのはいかがでしょうか。

メンタルコントロールには漢方薬も役立つ

上記の対処法に加えて、漢方薬でからだの内側から対策していくのもおすすめです。漢方薬は心療内科でも自然由来の治療薬として処方されているため、安心して服用できます。

雨の日のメンタル不調には自律神経の乱れが関係しています。
そのため、
・気分の落ち込みを緩和し、精神を安定させる
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化吸収機能を促してからだを内側から元気にする
などの効果がある漢方薬を選ぶのがよいでしょう。

おすすめの漢方薬

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
滞った気(エネルギー)を巡らせることで、自律神経のバランスを整え、ストレスによるイライラを改善する漢方薬です。比較的体力があり、不安感や胸が詰まった感じのある人、動悸や不眠などを伴う人に向いています。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気(エネルギー)を補い、胃腸の働きを整え、食べ物から栄養を吸収しやすくすることで、疲労倦怠などを改善する漢方薬です。体力虚弱で疲れやすく、食欲がない人に向いています。

漢方薬は自然の生薬から作られており、一般的に副作用も少ないとされています。また、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善が目指せるので、不調を治すだけでなく、不調にならないからだづくりを目指すこともできます。

毎日飲むだけなので、日々の生活に取り入れやすいのも漢方薬のよいところ。他のメンタルケア法と合わせてはじめてみるのはいかがでしょうか。
※必ず専門医に相談し、ご自身の体調に合ったものを取り入れるようにしてください。合わないものを服用すると副作用が出てしまったり、効果が発揮されなかったりします。

自分にあった対処法でメンタル不調を乗り切ろう

メンタルが不安定になる原因のひとつとして、季節要因によるストレスも挙げられます。雨の多くなる季節、メンタルが不安定になりやすい人はとくに注意が必要です。「メンタルが落ちてきたな」と感じたら改善できるよう、今のうちに自分にあった対処法を見つけておきましょう。

photo / Shutterstock,unsplash, pixabay

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あんしん漢方
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執筆者
円山 真由佳(えんやま まゆか)

医薬品登録販売者。ドラッグストアでの医薬品・化粧品販売を経て、市販薬の使い分け方を広めるべく執筆・情報発信を行う。美容薬学・アロマテラピーの資格を保持し、インナーケアや女性の不調ケアにも精通している。

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