ゴミ自体を出さない社会を目指す四国の小さな町「上勝町」
徳島市内から車で1時間。大部分が標高700m以上の山地に覆われた、人口1,457人(令和4年度)の四国で一番小さな町が「上勝町」。
日本で初めて「ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言」を発表し、現在はなんとリサイクル率80%を実現しています。
ゴミ自体を出さない社会を目指し、生ゴミは各家庭でコンポストを利用して堆肥化。 瓶や缶、紙などのさまざまな「資源」となるものは住民各自で、町内唯一のゴミステーション「ゼロウェイストセンター」に持ち寄り、13種類45分別する仕組みとなっています。
日本で初めて「ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言」を発表し、現在はなんとリサイクル率80%を実現しています。
ゴミ自体を出さない社会を目指し、生ゴミは各家庭でコンポストを利用して堆肥化。 瓶や缶、紙などのさまざまな「資源」となるものは住民各自で、町内唯一のゴミステーション「ゼロウェイストセンター」に持ち寄り、13種類45分別する仕組みとなっています。
上勝町の暮らしを体験できる「HOTEL WHY」
ゼロウェイストセンター内には、上勝町の暮らしを体感出来る宿泊施設「HOTEL WHY」があります。一般的なホテルとは違い、アメニティは揃っていません。
HOTEL WHYでは洗濯排水を減らす目的から寝間着の用意はなく、手洗いや体洗いの石鹸は滞在中に使いきれる分をセルフでチーズカットで切り取ります。
斬新な取り組みに、必要な分って一体どれぐらいなんだろう?と考えさせられました。珈琲の粉と上勝番茶の茶葉もその場で量り分けしていただきました。
斬新な取り組みに、必要な分って一体どれぐらいなんだろう?と考えさせられました。珈琲の粉と上勝番茶の茶葉もその場で量り分けしていただきました。
町の廃材がアップサイクルされている客室内は、木のぬくもりを感じられる造りになっています。また、チェックインする前に立ち寄ったお店ではレジ袋の用意がなかったり、公共施設の至るところにはビニール梱包していない野菜が並んでいたり、廃材をリユースした建築物など、ゴミを減らす工夫が目立ちました。
上勝町のサステナブルな取り組みを学ぶ「STUDY WHY」
宿泊体験の一つに、上勝町のサステナブルな取り組みを学ぶ"STUDY WHY"の時間があります。上勝町のゼロ・ウェイストの歴史や、ゴミステーションでのゴミの45種類の分別体験を含めた施設紹介をスタッフさんが解説。
宿泊者は無料で参加出来るツアーですが、"STUDY WHY"のみ有料で参加することも可能だそうです。
ゴミステーションは全体的にとても清潔感があり、生ゴミを自宅で堆肥化してることもあって、腐敗臭などの気になるにおいは一切ありません。実際にお話しを聞いて、ゴミステーションを目の当たりにすると、一体どの様に生活してるのか疑問が出てきます。
例えば、車がない人や直接ゴミステーションに来れない人達はどう持ち込むのか?など。こちらの回答には、運搬支援やご近所の協力など助け合いもあると教えてくださいました。
宿泊者は無料で参加出来るツアーですが、"STUDY WHY"のみ有料で参加することも可能だそうです。
ゴミステーションは全体的にとても清潔感があり、生ゴミを自宅で堆肥化してることもあって、腐敗臭などの気になるにおいは一切ありません。実際にお話しを聞いて、ゴミステーションを目の当たりにすると、一体どの様に生活してるのか疑問が出てきます。
例えば、車がない人や直接ゴミステーションに来れない人達はどう持ち込むのか?など。こちらの回答には、運搬支援やご近所の協力など助け合いもあると教えてくださいました。
湾曲しているゴミステーション、上から見ると疑問符の形をしているのだとか。ゴミの分別体験については、後ほど詳しくご紹介します。
物の寿命を伸ばす「くるくるショップ」
ゴミステーションの隣には、町民達が不要なものを持ち込み、誰でも無料で持ち帰り可能な「くるくるショップ」が併設されています。ものが雑然と置かれるのではなく、ディスプレイされて置かれていることで、一つひとつがまだ生き生きとして見えます。
子供が成長してサイズアウトした洋服や不要になった食器、雑貨などが陳列されていて、引っ越して来た際に必要なものをくるくるショップに探しに来るなど、様々な理由で物が引き継がれているそうです。
見えない誰かにバトンを繋げ、物が循環していく様子に胸が熱くなったのを覚えています。旅行が終わったら、自分には何か出来るかな?そんな思いにさせてくれる空間です。
子供が成長してサイズアウトした洋服や不要になった食器、雑貨などが陳列されていて、引っ越して来た際に必要なものをくるくるショップに探しに来るなど、様々な理由で物が引き継がれているそうです。
見えない誰かにバトンを繋げ、物が循環していく様子に胸が熱くなったのを覚えています。旅行が終わったら、自分には何か出来るかな?そんな思いにさせてくれる空間です。
私は上勝のお土産として、お皿と写真立てを持ち帰ってきました。持ち帰る際には、合計の重さをノートに記入します。
朝食は徳島の素材を使ったお弁当
朝食は上勝町内にあるブルワリー「RISE & WIN Brewing Co.」で作られる上勝や徳島の素材を使ったオリジナルメニューをピクニックスタイルでいただきます。お弁当箱に詰められた食材と一緒に手作りのベーグルをいただきます。その他、ビールの醸造後に出たココナッツを再利用したナッツグラノーラやヨーグルト、ミネストローネで身体も心も大満足。
チェックイン時に量り分けしてもらった珈琲や備え付けのカトラリーがより気分をあげてくれます。
チェックイン時に量り分けしてもらった珈琲や備え付けのカトラリーがより気分をあげてくれます。
循環型のビール造りを行うブルワリー
滞在中にぜひ訪れたいのは、自然由来の渋柿とベンガラを混ぜて塗られた外壁が印象的な「RISE & WIN Brewing Co.」。リデュース、リユース、リサイクルに取り組みながらビール造りを行うブルワリーです。レストランも併設され、ランチやBBQなどの食事(事前予約制)が楽しめます。素材にこだわったクラフトビールはスタンダードフレーバー5種に加え、限定フレーバーもあるので、飲み比べもおすすめ。
また施設内のおしゃれなキャンピングカーには1日1組限定で宿泊も可能です。
また施設内のおしゃれなキャンピングカーには1日1組限定で宿泊も可能です。
店内の天井にはビールの空き瓶やガラス瓶が吊るされています。窓から入る陽射しが照明まで届いて、まるで美術館にいるかのようなリサイクルアートが目に焼きつきます。
リサイクルできるもの、できないものが分かる、ゴミの分別体験
チェックアウト後は、宿泊客も地元民同様に、滞在中に出たゴミを入れたかごをゴミステーションまで持っていきます。
私たちが滞在中に出したゴミを、45種類のどこに分別すれば良いのか考えながら歩き進めます。これが中々難しい!
新聞紙や段ボールのほか、紙パックの裏が“白”か“銀”かで分別が異なっていたりと、紙類だけで9品目。瓶ビールの空き瓶も色によって分別するなど、普段何気なく捨てているゴミの行方を想像せずにはいられませんでした。
分からない時はスタッフの方が丁寧に教えてくれました。
私たちが滞在中に出したゴミを、45種類のどこに分別すれば良いのか考えながら歩き進めます。これが中々難しい!
新聞紙や段ボールのほか、紙パックの裏が“白”か“銀”かで分別が異なっていたりと、紙類だけで9品目。瓶ビールの空き瓶も色によって分別するなど、普段何気なく捨てているゴミの行方を想像せずにはいられませんでした。
分からない時はスタッフの方が丁寧に教えてくれました。
上勝町のリサイクル率は80%で、資源をリサイクルすることで利益を出しています。コンテナには資源となるものが何処でリサイクルされ、いくら利益になるのか(紙類は0.43円/kgなど)、分かりやすく数値化されていて、町民のモチベーションもあがる可視化がされていました。
また、対象の資源物を分別するとポイントがもらえる仕組みもあり、貯まったポイントに応じて環境に配慮した日用品などと交換することが出来るそうです。
そして、リサイクルできない残りの20%は使い捨てカイロや使用済みのオムツなど、どうしても燃やさなければならないものや埋めなければならないものだそう。
2日間でカゴをいっぱいにした鼻をかんだティッシュゴミは、どうしても燃やさなければいけないboxへ…。
もちろんこれらのごみ処理費は町のお金で賄われています。
また、対象の資源物を分別するとポイントがもらえる仕組みもあり、貯まったポイントに応じて環境に配慮した日用品などと交換することが出来るそうです。
そして、リサイクルできない残りの20%は使い捨てカイロや使用済みのオムツなど、どうしても燃やさなければならないものや埋めなければならないものだそう。
2日間でカゴをいっぱいにした鼻をかんだティッシュゴミは、どうしても燃やさなければいけないboxへ…。
もちろんこれらのごみ処理費は町のお金で賄われています。
滞在中に出た生ゴミはコンポストに入れて、終了。
"STUDY WHY"で得た学びやゴミ捨て体験を終え、課題が山積みであることを身をもって体感しました。
温室効果ガス排出国第5位である日本。ゴミを出さない社会を目指すにあたって、消費者には
"なぜそれを買うのか"
"なぜそれを捨てるのか"
生産者には
"なぜそれを作るのか ?"
"なぜそれを売るのか?"
これらを問いかけることで、日常生活にゼロウェイストのマインドを落とし込むとスタッフの方は言います。
"STUDY WHY"で得た学びやゴミ捨て体験を終え、課題が山積みであることを身をもって体感しました。
温室効果ガス排出国第5位である日本。ゴミを出さない社会を目指すにあたって、消費者には
"なぜそれを買うのか"
"なぜそれを捨てるのか"
生産者には
"なぜそれを作るのか ?"
"なぜそれを売るのか?"
これらを問いかけることで、日常生活にゼロウェイストのマインドを落とし込むとスタッフの方は言います。
すぐにでも実行したい!
2日間を通してゼロウェイストアクションを体験して、今後いかにゴミを出さないよう工夫していくかという課題が一番のお土産に。
ゴミ問題や海洋汚染など今ある環境問題に目を背けてはいけない、自分でも出来ることを行動し、発信しようと心から強く思いました。
ゴミを出さない暮らしを日常に落とし込むヒントを探す、上勝町へのサスティナブルな旅に出掛けてみるのはいかがでしょうか?
ゴミ問題や海洋汚染など今ある環境問題に目を背けてはいけない、自分でも出来ることを行動し、発信しようと心から強く思いました。
ゴミを出さない暮らしを日常に落とし込むヒントを探す、上勝町へのサスティナブルな旅に出掛けてみるのはいかがでしょうか?
photo / arisa
植物や動物や人も自然体であるものに惹かれ、Instagramでは好きなモノやコトを勝手にPRしています。
プラントベースの食事を基本としたフレキシタリアン。お酒も大好き。日常はもちろん、旅に出るときもエシカルチェックは欠かせません。
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