光を受けて現れる影も美しい。「こえだ社」の繊細な切り絵インテリア

デザイン事務所の「こえだ社」は、名刺やロゴなどの制作を行いながら、手作りのクラフト作品も展開しています。植物のシルエットを切り取った切り絵は、一つひとつ手作業で作られていることに驚く繊細さ。部屋に飾ればその場を印象的に彩るだけではなく、日光や照明の光を受けてできる影も美しく、思わず見入ってしまいます。
 ゆりか

デザイナーが手作りする、繊細かつ温かな切り絵作品

神戸にあるオフィスを構える「こえだ社」。京都府立大学とその大学院で建築を学んだ三浦いくこさんが、飲料のパッケージデザイン・DTPオペレーターなどを経て立ち上げたデザイン事務所です。主に手がけているのは、名刺やチラシ、ロゴマークなどのデザイン。さらに、切り絵をはじめとしたクラフト作品やタティングレースのアクセサリーなども制作しています。

幼ない頃から絵を描いたり、ものを作ったりすることが好きだったという三浦さん。欲しいと思うものが手に入らなければ、自分の手で作るのが習慣になっていたそう。
手作りしたものを販売するようになったのは、お子さんの部屋を装飾しようと作ったちょうちょの切り絵を見た友人から「うちにも作って欲しい」という希望が多く寄せられたことがきっかけでした。

現在は、植物をモチーフにした切り絵作品を数多く制作。自宅の庭の植物をスケッチしたり、外出時に撮影した写真や図鑑を見たりと、さまざまな方法で図案を起こしています。

普段のデザインの仕事では伝わりやすさを重視し、使われる場所や見る人の年齢・性別なども考慮しているそうですが、一方の切り絵ではリアルはあまり追求していないのだとか。それよりも、魅力的な影絵ができるかどうかを大切にしながらデフォルメしているそう。

ところが、できあがる切り絵の繊細さは思わず息をのむほど。それと同時に、手作りならではの温かみも感じられます。インテリアとして飾れば、部屋の素敵なポイントに。さらに、日光や照明の光が当たると影が現れ、より豊かな表情を見せてくれます。

松ぼっくりのシルエットが閉じ込められたフレーム

こちらは、「植物標本シリーズ」の松ぼっくりの切り絵。オリジナルで制作されているアクリル板と木枠のフレームに入れられています。アカマツの学名である「Pinus densiflora」と松ぼっくりを意味する「pinecone」を記したラベルが添えられ、まるでアンティークのような雰囲気。多くの方が拾い集めたことがあるだろう親しみのあるものですが、こうして見るとなんとも不思議で美しい実だと改めて感じませんか?

縦15cm×横10cmと小さめでちょっとした場所にも飾ることができる人気のアイテム。シリーズで一番初めに作った図案だそうで、三浦さんご自身も思い入れががあるそう。

アクリル板に浮かんだような姿や、光が当たったときに背後に浮かび上がる影も印象的。部屋のお気に入りの場所や、玄関などに置いてみてはいかがでしょう?
ほかにもさまざまな草花をモチーフに作られているシリーズなので、複数集めてコレクションのように飾るとまるでギャラリーのような空間に。生花やドライフラワーとも好相性で、インテリアをより素敵に見せてくれます。

【植物標本シリーズ】松ぼっくりの切り絵フレーム
3,800円(税込)

光を透かす植物リースのフレーム

続いては、「植物リースの切り絵」シリーズのひとつ。ニュアンスカラーの画用紙で、大小さまざまな味が実るさまを表現しています。まるでレースのような質感と白い木製のフレームが、やわらかな印象。

画用紙に透け感があるので、窓際に飾ると、日の傾きによって刻一刻と色味や表情が変わっていく様子が見られます。標本シリーズと同じくライトアップすると影も美しく、ほかの植物やキャンドルなどとあいまってシックなムードに。

カラーはミルクホワイト・モスグリーン・サンドグレー・ストーングレーの4色があります。どれもほかの雑貨と飾っても喧嘩することがなく、単独でも透明感や深みの感じられる色合いです。大きい実と小さい実のモチーフ(写真左)のほかに、シュガーバイン(写真右)とノイチゴのリースもあります。

【植物リースの切り絵】大きい実と小さい実/シュガーバイン/ノイチゴ
各12,000円(税込)

木々が連なる深い森を表したフレーム&ウォールデコ

木々が寄り添う森を切り絵にし、フレームに閉じ込めた大型作品。縦22cm×横46.8cmと、存在感がありますが、落ち着いたモチーフとカラーでインテリアに溶け込みます。

モノトーンのシンプルな絵柄なのに、木々それぞれに表情があり、森の凛とした空気が伝わってくるよう。また、木陰から動物や男の子・女の子が現れるのでは?と物語が想像できる余白もあるデザインです。

壁から少し離して置くと、影によって後ろにも木がたくさん並んでいるようになり、より奥行きが感じられます。

フレーム入りのほかに、ウォールデコにできる切り絵のみのタイプも展開。写真右のようにピアノなどの上に貼ると、湖などの水面に映り込んだように見え、印象的な空間を作り出します。

静かな森
18,000円(税込)

静かな森の切り絵
4,000円(税込)

オンラインやイベントで、心惹かれる作品に出会える

こえだ社にはほかにも、ロウ引き加工により強度を上げた紙で作られたサクラの葉の葉脈の切り絵や、傘型ペンダントライトの切り絵などさまざまなアイテムがあります。
「さりげなくその場に溶け込むような、昔からそこにあるような、素朴で温かみのある作品を目指しています。」そんな三浦さんの想いのとおり、ひとつ置いて眺めればやさしい気持ちになれそうなものばかり。

オンラインショップでの販売のほか、こえだ社で実物を見ながら購入できるイベントも定期的に開催されています。そこではレースのアクセサリーなども購入することができますよ。次回は12月1日(火)~3日(木)に開かれる予定だそう。お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

photo / こえだ社

こえだ社
兵庫県神戸市西区丸塚1-24-19
TEL:078-203-5001

https://www.iichi.com/shop/koedasya

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