猫が教えてくれること「家族」/人形洋服作家・ナナノフさんの場合vol.2
猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。人形洋服作家・ナナノフさんもその一人。両親の仕事が忙しく、いつも一人で留守番をしていた、幼少期のナナノフさんを支えたのは、猫という大家族でした。
- 2019.10.14
- ライフスタイル
人生最多27匹の猫たちとの暮らし
黒猫「まるこ」(メス・推定9歳)と白猫「タロ」(オス・推定8歳)と暮らすのは、ブライス人形などの衣装をハンドメイドしている人形洋服作家のナナノフさんです。今はまることタロの2匹ですが、ナナノフさんは幼少期、最高で27匹もの猫と暮らしていたと言います。
「私が3歳くらいの時かな。母が犬の散歩中に子猫を保護して。ジョンと名付けて飼い始めました。犬みたいな名前でしょ?そのジョンを皮切りに、外にいるのを保護したり、ご近所さんが拾ったから…と持って来るのを断れずにいたら、一番多い時で27匹!
でも今とは時代が違って、家で飼っているといっても半外飼い。ほとんどの子がうちでエサを食べたら、あとは家の庭や目の前に広がっていた田んぼなど、それぞれの縄張りで自由にしていました」
「私が3歳くらいの時かな。母が犬の散歩中に子猫を保護して。ジョンと名付けて飼い始めました。犬みたいな名前でしょ?そのジョンを皮切りに、外にいるのを保護したり、ご近所さんが拾ったから…と持って来るのを断れずにいたら、一番多い時で27匹!
でも今とは時代が違って、家で飼っているといっても半外飼い。ほとんどの子がうちでエサを食べたら、あとは家の庭や目の前に広がっていた田んぼなど、それぞれの縄張りで自由にしていました」
エサ係という重労働
小学校低学年になると、猫たちのエサ当番はナナノフさんの役目になりました。
「毎日、猫用に古米をたくさん炊いて、猫缶やかつお節と混ぜてあげるんです。30匹近くいますから、古米でかさ増ししても、すぐに猫缶がなくなるんですよ。週2~3回の猫エサの買い出しも私の役目でした。自転車のカゴいっぱいに猫缶を積んで、その重みにフラフラする自転車を必死になって漕いで。あまりに大変だったので、買い物の記憶は、昨日のことのように覚えています」
「毎日、猫用に古米をたくさん炊いて、猫缶やかつお節と混ぜてあげるんです。30匹近くいますから、古米でかさ増ししても、すぐに猫缶がなくなるんですよ。週2~3回の猫エサの買い出しも私の役目でした。自転車のカゴいっぱいに猫缶を積んで、その重みにフラフラする自転車を必死になって漕いで。あまりに大変だったので、買い物の記憶は、昨日のことのように覚えています」
心を温めてくれた家族
両親が共働きで忙しく、子どもの頃は「親といる時間よりも猫といる時間の方が長かった」と振り返るナナノフさん。両親の帰りを待つ心細さを紛らわせてくれたのは、猫という「家族」でした。
「私は一人っ子なんですけど、猫たちのことを守らなきゃいけない弟や妹みたいに感じていました。ごはんの面倒をみて、一緒に遊んで、一緒に眠る。まるでマンガみたいな話ですよね。アビシニアンの雑種だったのかな?トコちゃんという美しいメス猫と、キジトラのメロンちゃんというメス猫は、2匹とも家が大好きで、一緒に過ごす時間が長かったので、特によく覚えています。
そうそう!そのメロンちゃんが、ある日、散歩に出たっきり戻らなくて、体が弱い猫だったので心配で探しに行くと、ご近所の庭先でリードをつけて飼われていて(笑)。『あの~、すみません。その子、うちの子なんです』って、お願いして返してもらったことがありました。
エサだけ食べて、家に寄りつかない子もたくさんいましたけど、外で会っても、絶対にわかるんです。友達には『よく名前覚えられるね』とか『よく見分けがつくね』と驚かれましたけど、一匹いっぴき、顔も性格も全然違うんです」
毎日ごはんを用意して、いつでも猫たちが行って帰って来られるよう、家の扉を開けておいたナナノフさん。いるだけで心を温めてくれた猫たち。支え支えられて生きれば皆家族。家族は人と人である必要さえないのかもしれません。さて、次回は、黒と白、対照的な毛色のように性格まで真逆。今ともに暮らすまることタロのお話です。お楽しみに!
「私は一人っ子なんですけど、猫たちのことを守らなきゃいけない弟や妹みたいに感じていました。ごはんの面倒をみて、一緒に遊んで、一緒に眠る。まるでマンガみたいな話ですよね。アビシニアンの雑種だったのかな?トコちゃんという美しいメス猫と、キジトラのメロンちゃんというメス猫は、2匹とも家が大好きで、一緒に過ごす時間が長かったので、特によく覚えています。
そうそう!そのメロンちゃんが、ある日、散歩に出たっきり戻らなくて、体が弱い猫だったので心配で探しに行くと、ご近所の庭先でリードをつけて飼われていて(笑)。『あの~、すみません。その子、うちの子なんです』って、お願いして返してもらったことがありました。
エサだけ食べて、家に寄りつかない子もたくさんいましたけど、外で会っても、絶対にわかるんです。友達には『よく名前覚えられるね』とか『よく見分けがつくね』と驚かれましたけど、一匹いっぴき、顔も性格も全然違うんです」
毎日ごはんを用意して、いつでも猫たちが行って帰って来られるよう、家の扉を開けておいたナナノフさん。いるだけで心を温めてくれた猫たち。支え支えられて生きれば皆家族。家族は人と人である必要さえないのかもしれません。さて、次回は、黒と白、対照的な毛色のように性格まで真逆。今ともに暮らすまることタロのお話です。お楽しみに!
photo / 筒井聖子
人形洋服作家・ナナノフ
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
内容について運営スタッフに連絡