日本独自の文化に迫る。『BENTOおべんとう展ー食べる・集う・つながるデザイン』
現在、東京都美術館にて開催されている『BENTO おべんとう展ー食べる・集う・つながるデザイン』。私たちの生活に深く根付いているお弁当は、人と人との繋がりを深めるソーシャルツールです。お弁当という普段何気なく口にしているものを、展示や体験を通して様々な視点で楽しめる本展覧会をご紹介します。
- 2018.8.20
- アート・カルチャー
食べることを巡るコミュニケーション・デザインに迫る
私たちの生活に根付いているお弁当。イベントなどで食べる行楽弁当から、普段何気なく食べているお弁当は、作る側と食べる側の関係性の繋がりを深めるものとして、昔から重要な役割を果たしてきました。誰かが作ってくれたお弁当には、作る人と食べる人との物語があり、そこには食べることを巡る関係性が存在していると思います。本展覧会は、お弁当がもたらすコミュニケーション・デザインを捉え、その魅力を体感しながら新たな視点を得られる展示空間になっています。
実用性と美へのこだわりが感じられる「お弁当箱」
日本独自の文化であるお弁当は、世界でも注目を集め「BENTO」として知られるようになりました。お弁当が発展した歴史を見ていくと、その背景には様々な工夫が見て取れます。
江戸時代には、お弁当は宴などの場で使われ、美しくユニークな形をしていました。食後には囲碁盤として使えるお弁当箱もあったそうです。その他にも、赤色のお弁当入れと、白い酒入れから成り、あわせるとひょうたん型になる「白陶朱漆組合せ瓢成り弁当」など、一見お弁当箱には見えないデザインのものも展示されています。当時の人々の自由なデザイン感覚や、実用性と美へのこだわりが感じられます。
作品クレジット:左)白陶朱漆組合せ瓢成り弁当 個人蔵、右)楼閣形弁当 個人蔵
江戸時代には、お弁当は宴などの場で使われ、美しくユニークな形をしていました。食後には囲碁盤として使えるお弁当箱もあったそうです。その他にも、赤色のお弁当入れと、白い酒入れから成り、あわせるとひょうたん型になる「白陶朱漆組合せ瓢成り弁当」など、一見お弁当箱には見えないデザインのものも展示されています。当時の人々の自由なデザイン感覚や、実用性と美へのこだわりが感じられます。
作品クレジット:左)白陶朱漆組合せ瓢成り弁当 個人蔵、右)楼閣形弁当 個人蔵
体験型作品を体験しよう
本展では、お弁当を普段とは違う視点で捉える参加型作品を体験することもできます。その中でも特に注目してほしいのが、おかずを分け合う「おすそわけ」に着目した「おすそわけ横丁」。会場内の共有マーケットにある品をおすそわけしてもらい、自分の所有物になるという体験型の作品です。この作品の特徴は、期間中にどんどん会場が変化していくこと。これまでにはない、何度も行きたくなるような面白い作品になっています。
命を支えるお弁当
本展覧会を通して、お弁当にはさまざまな物語を再確認することができました。会場内の作品に触れるたび、自分に対してお弁当を作ってくれた身内のことを思い浮かべたり、今では身近になったコンビニで販売されているお弁当について考えたり、様々なことを感じました。是非、お弁当の目には見えない魅力を体感しながら新たな視点を得られる展示空間に足を運んでみてはいかがでしょうか。
photo / 新麻記子
BENTO おべんとう展ー食べる・集う・つながるデザイン
会期:2018年7月21日(土)~10月8日(月・祝)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
住所:東京都台東区上野公園8-36
休室日:月曜日、9月18日(火)、9月25日(火)
※ただし9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室
時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)、金曜日は20:00まで
※ただし8月24日(金)、31日(金)はサマーナイトミュージアムのため21:00まで
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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