家事を小さくすることが、家族も動けるコツ。「5分のプチ家事」リスト【洗濯、台所家事、掃除】

子供のこと、家のこと、毎日の家事…とくたくたになってしまっていませんか?実は2年前の夏休みに夫がケガで入院して、1ヶ月間ワンオペ家事の経験をしました。ほぼ毎日夫の病院に行き来し、3人の子どもの習い事の送迎や夏休みの宿題のサポート、自分の仕事…などすべてを1人でこなすのは、本当に大変なことでした。でも、究極の状況だと覚悟していたワンオペ家事が、工夫をして乗り越えたことで、日常をラクにすることができたのです。その時に得た工夫をお話ししたいと思います。
 佐々木奈美

家事は必要以上にやらない・やってあげない

以前の私は、夫や子どもを思うあまりに、家族に必要以上のおもてなしをしてしまっていました。

「気遣いと気配りのある家事を」
「できないだろうから、やっておいてあげよう」

こうした思いやりから生まれたおもてなしは、時に過剰になり、おせっかいに変わることがあります。そしてそれは、自分の仕事を増やしてしまうことだけでなく、かえって相手に気を遣わせてしまうことにもなるのです。

ある日、夫に言われたことがあります。
「気遣いはうれしいけど、しない方がみんなでゆっくりできない?」

ハッとした私は、それから家事をなるべくシンプルにすることで、家事のやらなくていい部分を増やしました。おもてなし家事をなくし、家族みんなが自主的に動ける生活動線の仕組みづくりに注力しました。“やってあげる”やさしさより、 “自分でやれる”という自立へ目を向けることにしたのです。

「気遣いがあると思われたい」
いつしかそれは自分のエゴになっていたことに気づきます。

「家族のために疲れている様子を見せるより、家族と過ごす時間を大切にしてもらいたい」
という夫の気持ちが言葉に表された時、ふっと肩の荷が下りたのです。
家事をサボるのではなく、簡素化すること。お母さんは、もっと自分を大切に、自由にしてあげていいのかもしれませんね。

家事を家族に任せるためのシステムをつくる

家族と一緒に暮らす中で、家事の指揮をとるためにはコツがあることに気づきました。

① 家族みんなで使いやすいモノ選びをする
② 言葉一つで連携が取れる仕組みをつくる
③ それぞれが自立できることをゴールにする
④ いつ自分が体調を崩しても、家族に任せられるようにしておく
⑤ 家族全員が心地よいと感じるシステムにする

これは、私が家族を頼りたい時に、素直に頼れるようにするためのルールとシステムが合わさったようなものです。
つい、何でも自分でこなそうとしたり、「自分がやってしまった方が早い」と思ってしまったりする時、このルールは「家事はみんなでシェアする方がみんなのためになる」ということを思い出させてくれます。
自分一人で抱えてしまうことを避けるために、また、自分が倒れてしまった時に家族が困らないようにしておくためにも、とても頼りになるルールです。

子どもの成長に合わせた家事のステップ

わが家は5人家族。小中高の三人の息子がいます。それぞれできることもやれる家事も違うのですが、年齢や得意・不得意に応じて家事のステップ当てはめていくようにしています。

例えば、ワンオペ家事と子どもの送迎を両立しなければいけない時、自分の限界を感じたら「そろそろお留守番ができるようにステップアップしよう」と考えます。

わが家は小学校低学年で留守番ができるようになるという目標がありますので、徐々に慣らしておき、いざという時にお互いが困らないように準備しておくのです。
小学校高学年になったら…お米をとげるように、湯を沸かすことができるように、練習します。これは、自分でごはんを用意して出かけられるようにするためです。
中学生になったら…洗濯とアイロン掛けができるように練習します。私ができない日も、自分で登校準備ができるようにするためです。
食器洗いやお弁当づくり、トイレ掃除などを高校生のうちに覚えておけば、一人暮らしも楽勝ですね!

5分で終わる“プチ家事”をたくさんつくる

家族と家事をシェアできるようにするコツは、一つの家事を5分以内で終わる“プチ家事”に転換することです。これは、家族が家事をするために家事のハードルを下げることでもあり、自分の負担を減らすためでもあります。
自分の体調が優れない時を思い出してください。家事をやるのがつらくて、悪循環からどんどん散らかってしまったことがありませんか?家事一つ一つの仕事を小さくし、取り掛かりをラクに感じさせることは、自分にとっても家族にとってもwin-winなのです。
ここで、私が家事を“プチ家事”にするために変えたことをご紹介します。

<洗濯>

・着るものを薄い・丈夫・早く乾くものにする
・タオルを用途によって色分けする
・各タオルをひと回り小さく変える
・タオルと洋服を分けて洗濯するシステムをつくる
・靴下をネットに入れて洗濯する

<台所家事>

・鍋やフライパンも食洗機に入るものを使う
・汚れがつきにくい食器や調理器具を選ぶ
・一緒に使うものを同じ場所に収納する(グルーピング収納)
・調味料“さしすせそ”をキッチンシンク下に収納する(煮物料理をスムーズに作るため)
・揚げ物は小さい鍋で少量の油で揚げる
・お弁当も夕飯もつくる品数を固定にする

<掃除>

・洗面台のシンクは毎朝支度のついでに掃除クロスで拭く
・トイレ掃除は自分が使う前に使い捨てシートとブラシで磨く
・お風呂は体を洗うついでに床をブラシで擦る
・埃は吸着ワイパーで拭き取る
これらのプチ家事は、どれも息子たちに伝えたいものばかり。
いつか一人暮らしをする時や、誰かと住むようになった時に、家事を負担に感じずに、暮らすことができたらいいなぁと思っています。私は、家事を簡単なものに変え、毎日苦にならないサイズにしておくことが、自分の暮らしを無理なく積み重ねるためのコツだと考えています。

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