都心で働き暮らしながらも、心地よい自分の居場所を作るための提案をしてくれる「starnet東京」

かつては日本有数のファッション系の問屋街として栄え、最近では古い雑居ビルをリノベーションしたスペースに、クリエイターやファッションブランド、出版社が移り住んできている注目のエリア馬喰町。その一角にある、凛とした佇まいのお店「starnet東京」を取材しました。
 カオリーヌ

提案するのは商品ではなくライフスタイル

「starnet東京」は、栃木県益子にある「starnet」の東京店。ファッションブランド「TOKIO KUMAGAI」のプロデュースを手がけていた故馬場浩史氏が、自身の居場所(暮らし)を築く場所を探しに各地を巡り、辿りついた益子の地で小さなカフェとギャラリーを作ったのがはじまりでした。やがて、彼の活動や生き方に共感した人が県内外から訪れるようになり、いつしかものづくりを志す若手クリエイターが集まって工房「art workers studio」が誕生。陶器の他にも、服飾関係、さらにはこの土地の恵みを使った食品ブランド「スターネットフーズ」ができるなど、その地域で循環する持続可能なライフスタイルを提唱する場所として注目されるようになりました。

流行りや、新しさではなく、独自の視点で作り、選んだ珠玉の商品たち

益子といえば陶芸ですが、東京店の1階でも陶器を販売しています。作家もののほか、同店オリジナルの陶器もおすすめです。そのほか、箸やキッチン用品などの生活道具、食品などは「starnet」が作り手と共に作るオリジナル商品を中心に、独自の視点で厳選したものばかり。「starnet東京」の店長・津森絵理子さんによると、同店では「今ここにあるもの」を大切に、ご縁のあった方とその方の作られるものを継続的に紹介、販売しているそう。それは、流行を追いかけるのではなく、同店のコンセプトに合った作り手とじっくり付き合うことで、本当に長く愛せる商品を提案していきたいから。食品もオリジナルブランド「starnet foods」の生はちみつやジャム、コーヒー、お茶、クッキーなどを始めとする、安心で体に優しくて、しかも美味しいものを販売しています。

色鮮やかな天然素材のみを使った草木染めの美しさ

東京店の2階には色鮮やかな衣類が揃っています。実はこれ、薬品を一切使わない天然染めによるもの。自然素材だけで生み出されたとは思えない美しさです。クローゼットの中すべてをナチュラルなもので揃えるのは難しくても、ストール1枚、本当に自分がいいと思えるものを持っていることで、それを身に着けるたびに心が癒される。店内には衣服の他、タオルなどの生活用品、自然や身体のことを考えて作られた靴など、暮らしを作るものも並びます。

無理をせず自分のペースで、ひとさじひとさじ積み重ねていく生き方

そうやって「心地いいな、気持ちいいな、安心するなと思えるものを、自分の身体の素直な感覚に応じて、ひとさじひとさじ取り入れられたら、一番自然でいいですよね」と津森さん。東京店では、益子の良さをただ賞賛するのではなく、都心で働き暮らしながらも、心地よい小さな居場所を作るお手伝いをしたいとも。

5年後、10年後、自分らしく輝いていられたら

そんな津森さんがシェアージュの読者におすすめしてくれたのが、お箸。同店オリジナルのお箸は、東京の職人さんがひとつひとつ削って作ったもの。材料に硬い黒檀、鉄木などを使った箸は、思いのほか軽く、塗装をしていない木肌がしっくりと手に馴染みます。細く削り出された箸先がぴたりと揃って、細かいものもつかみやすいのが特徴。

こうして毎日の生活の中で使うものから、すこしずつ、自分が心地よいと思えるものを取り入れていけたら、今は辛いこと、思い通りにならないことがあっても、5年後、10年後の暮らしは、今よりもきっと豊かになっている、そんな風に思えるものが、同店には揃っています。

photo / reeeko

starnet東京
〒101-0031 東京都千代田区東神田1丁目3−9

http://www.starnet-bkds.com/

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