不完全だから愛おしい。クラシカルで丸みある形が可愛い「PAGOT」の革のミニバッグ
クラシカルでかわいらしさも感じられる、丸いバッグ。兵庫県西脇市でご夫婦が営むブランド「PAGOT(パゴット)」のアイテムです。非常に丁寧に作られていていますが、ご夫婦はそれを「不完全」と言います。その理由とは…?本革や地元の織物を大切にしながら生み出されるバッグに込められた想いと魅力をご紹介します。
- 2022.11.3
- ファッション
兵庫県西脇市の鞄職人が作る、革製品をメインにしたブランド
自然豊かな兵庫県西脇市。新西脇駅から15分ほど歩いたところにある商店街で出会える、素敵なファッションアイテムが並ぶお店。鞄職人の堀井悠次さんと、店舗運営・プランニングを担う妻の紗由里さんによるブランド「PAGOT(パゴット)」のショップ兼工房です。悠次さんが本革をメインに使って作る上品なバッグや財布などと、セレクトのアイテムが販売されています。
職人の悠次さんは、幼い頃からお兄さんの影響で雑誌を読み込んできたという、大のファッション好きの方。服飾業界を支えたいと、大学卒業後は商社に就職しました。ところが3ヵ月ほど経った頃、染め物職人の姿を見て「作り手になりたい」という想いが芽生えたそう。間もなく商社を退職し、憧れがあった鞄の会社に頼み込んで入社。通常は分業制のところ、珍しく材料の下準備・加工から販売までを行っていたその会社で、さまざまなことを学びました。
その会社は後に倒産してしまうのですが(しかも結婚式の前日に!)、いずれは独立することを心に決め、紗由里さんにも伝えていた悠次さん。紳士鞄を製造する会社で技術や業務をまたたく間に習得し、2年目には個人で仕事を受けるように。そして2017年、26歳のときに念願の独立を果たしてPAGOTを立ち上げました。
その会社は後に倒産してしまうのですが(しかも結婚式の前日に!)、いずれは独立することを心に決め、紗由里さんにも伝えていた悠次さん。紳士鞄を製造する会社で技術や業務をまたたく間に習得し、2年目には個人で仕事を受けるように。そして2017年、26歳のときに念願の独立を果たしてPAGOTを立ち上げました。
不完全だからこそ愛おしくなる。一つひとつが個性をもつバッグ
そんな悠次さんは日々もてる技術を注ぎこみ、ベストを尽くして製作していますが、自身が生み出すものを「不完全」と表現します。それは、手を抜いているとか、うまく作れていないということではありません。
悠次さんは型紙をフリーハンドで引くなど、完璧や均一では「ない」ものを作っています。そもそも、製作に使用している本革は天然素材。色の染め方も、自然な仕上がりで革がもつ傷やシワなどが残る染料染めにこだわって選んだものです。そのため、同じ種類であってもそれぞれが異なる個性をもっていて、製品には一つずつ違いが現れます。ある意味いびつと言えるかもしれませんが、それによって生まれる「隙」が愛おしさになり、いつまでも一緒にいたいと思えるものになる。そんなバッグを目指しているのです。
悠次さんは型紙をフリーハンドで引くなど、完璧や均一では「ない」ものを作っています。そもそも、製作に使用している本革は天然素材。色の染め方も、自然な仕上がりで革がもつ傷やシワなどが残る染料染めにこだわって選んだものです。そのため、同じ種類であってもそれぞれが異なる個性をもっていて、製品には一つずつ違いが現れます。ある意味いびつと言えるかもしれませんが、それによって生まれる「隙」が愛おしさになり、いつまでも一緒にいたいと思えるものになる。そんなバッグを目指しているのです。
伝統ある播州織(R)の美しさにも触れられる
作られているバッグはトラッドな雰囲気もありながら、ナチュラルでかわいらしさも兼ね備えたものとなっています。
また、裏地や本体にグリーンやブルーのタータンチェックの生地が使われているのも特徴。こちらは、PAGOTがある西脇市と隣の多可町の地場産業として200年以上受け継がれている「播州織(R)」で作られた、ブランドオリジナルの生地です。
播州織(R)は、あらかじめ染められた糸で模様を織る先染織物。プリントとは異なり、使うほどに深みのある色合いになっていきます。PAGOTでは、生産の過程でたくさんの人の手に掛けられることで、温かみが感じられるのも魅力だと考えているそう。そんな生地がこれからも途絶えずに作られ、愛され続けるようにとの想いも込めて採用しています。
また、裏地や本体にグリーンやブルーのタータンチェックの生地が使われているのも特徴。こちらは、PAGOTがある西脇市と隣の多可町の地場産業として200年以上受け継がれている「播州織(R)」で作られた、ブランドオリジナルの生地です。
播州織(R)は、あらかじめ染められた糸で模様を織る先染織物。プリントとは異なり、使うほどに深みのある色合いになっていきます。PAGOTでは、生産の過程でたくさんの人の手に掛けられることで、温かみが感じられるのも魅力だと考えているそう。そんな生地がこれからも途絶えずに作られ、愛され続けるようにとの想いも込めて採用しています。
柔らかな印象の丸型バッグ「Adore」
それでは、PAGOTのバッグをご紹介していきます。
丸型のフォルムに細い持ち手が付いた「Adore(アドレ)」。ブランドで最初に生まれ、アイコンにもなっているハンドバッグです。これがまさに、フリーハンドで描かれた円の型紙で作られており、柔らかな印象。素材のイタリアンレザーに細かなシワのようなシボがあることにも、抜け感が感じられます。上品であり、かっちりしすぎていないので、きれいめにもカジュアルスタイルにも合わせられる万能のアイテムです。
丸型のフォルムに細い持ち手が付いた「Adore(アドレ)」。ブランドで最初に生まれ、アイコンにもなっているハンドバッグです。これがまさに、フリーハンドで描かれた円の型紙で作られており、柔らかな印象。素材のイタリアンレザーに細かなシワのようなシボがあることにも、抜け感が感じられます。上品であり、かっちりしすぎていないので、きれいめにもカジュアルスタイルにも合わせられる万能のアイテムです。
ブラックの本体に映えるゴールドのファスナーを開くと、タータンチェックの裏地がお目見え。開閉するたびに、きれいなチェック模様が気分を上げてくれます。
内側にはポケットが1つあり、よく手に取るスマートフォンなどをほかの荷物と分けて収納できるのが便利です。
内側にはポケットが1つあり、よく手に取るスマートフォンなどをほかの荷物と分けて収納できるのが便利です。
Adoreには大小2つのサイズがあり、小さめのサイズ「Adore Petit」と同じ大きさでカラーのレザーを使った「Adore color」、ストラップ付きのポーチ「Adore pouch」もあります。Adore colorとAdore pouchにはRose pinkやBeigeなどのカラーバリエーションがあるので、暗くなりがちな秋冬ファッションの差し色にするのもおすすめです。
Adore
サイズ:直径25×厚み6.0cm
44,000円(税込)
Adore Petit
サイズ:直径18.5×厚み6.0cm
38,500円(税込)
Adore color
サイズ:直径18.5×厚み6.0cm
24,200円(税込)
Adore pouch
サイズ:直径11.5×厚み4.0cm
8,800円(税込)
※Adore以外は内ポケットなし
Adore
サイズ:直径25×厚み6.0cm
44,000円(税込)
Adore Petit
サイズ:直径18.5×厚み6.0cm
38,500円(税込)
Adore color
サイズ:直径18.5×厚み6.0cm
24,200円(税込)
Adore pouch
サイズ:直径11.5×厚み4.0cm
8,800円(税込)
※Adore以外は内ポケットなし
クラシック感漂う台形のバッグ「Ema」
続いては、同じくイタリアンレザーで作られた台形のバッグ「Ema(エマ)」です。クラシック・スタンダードを意識したという形はたしかにベーシックですが、角に丸みがあるのがソフトで、かわいらしさも感じられます。
コンパクトですが、マチが8.5cmと広めなので、長財布や手帳、文庫本、ペットボトルも入るほど容量はたっぷりなのもうれしいところ。
コンパクトですが、マチが8.5cmと広めなので、長財布や手帳、文庫本、ペットボトルも入るほど容量はたっぷりなのもうれしいところ。
定番のカラーはBlackと、持ち手やパイピングが黒でバイカラー調になったTaupe(写真左)。どちらも裏地はオリジナルのタータンチェック生地です。
さらに、そのタータンチェック生地を外側に使ったタイプもあります(写真右)。鮮やかなチェック模様は、秋から冬の装いにぴったりのトラッドな雰囲気をプラスしてくれます。
Ema Black/Taupe
サイズ:底辺26.0×高さ16.0×マチ8.5cm
27,500円(税込)
Ema(PAGOTタータン)
サイズ:同上
19,800円(税込)
さらに、そのタータンチェック生地を外側に使ったタイプもあります(写真右)。鮮やかなチェック模様は、秋から冬の装いにぴったりのトラッドな雰囲気をプラスしてくれます。
Ema Black/Taupe
サイズ:底辺26.0×高さ16.0×マチ8.5cm
27,500円(税込)
Ema(PAGOTタータン)
サイズ:同上
19,800円(税込)
遊び心あるショルダーバッグ「Karan」
こちらは小さなショルダーバッグ「Karan(カラン)」。クラシカルですが、実はおもちゃのバッグをイメージしたというアイテムです。正面から見ると口元のラインはきりっとした直線ですが、サイドから見るとぷくっと丸みのあるフォルム。ゴールドで刻まれたブランドロゴや、どこか懐かしい金具にも遊び心が感じられるバッグとなっています。
このバッグに使われているのは、イギリス製のブライドルレザー。もともと馬具用に作られた革で、硬めでハリがあります。強度を上げるためにたっぷり浸透させた牛脂や蝋などの成分が、白い粉のように浮き出ることがあるのがほかにはない特徴。ビンテージのような表情になりますが、気になる場合はドライヤーで温めるとつるんとした状態にできるそう。長く使い続けていくうちに、美しい艶を帯びていきます。
そんな革の質感やバッグのフォルムを活かし、内側に裏地やポケットがないシンプルな仕立てとなっています。
そんな革の質感やバッグのフォルムを活かし、内側に裏地やポケットがないシンプルな仕立てとなっています。
カラーはBlackのほか、パッと目を引くRed、シックなGreen、深みのあるBlueの4色展開。お好きなカラーを選んで、ラフなスタイルの引き締め役に、メンズライクな服装のフェミニンなポイントにと、コーディネートを楽しんではいかがでしょうか。
Karan
幅横18.5×高さ12.0×厚み9.0cm
13,200円(税込)
Karan
幅横18.5×高さ12.0×厚み9.0cm
13,200円(税込)
今季限定のツイード生地のアイテムも登場
ご紹介したAdoreとEmaのバッグには、2022年の秋冬限定シリーズが登場。シャネルのツイードのメーカーとしても知られるイギリスの老舗「Linton Tweeds(リントン・ツイード)」の生地が使用されています。
さまざまな色が入り混じったカラフルなものと、モノトーンのブロックチェック風のものがあり、どちらも立体的な織り模様が存在感を発揮。シンプルな装いも、こちらのバッグひとつでぐっと華やかになります。
さまざまな色が入り混じったカラフルなものと、モノトーンのブロックチェック風のものがあり、どちらも立体的な織り模様が存在感を発揮。シンプルな装いも、こちらのバッグひとつでぐっと華やかになります。
一緒にときを重ねられる。心に寄り添うようなバッグ
PAGOTには、小さなバッグだけではなく、大きめのトートバッグや財布などの小物もあります。直営店の「COZY」とオンラインショップにて購入することが可能です。
不完全だからこそちょうどよく、愛おしさが感じられる。そんなアイテムたちは、私たち自身も完璧ではなくてもいいと言ってくれているようにも思えます。ひとつ手にすれば、一緒に成長し、唯一無二の自分のものになっていってくれるはず。そんなふうに長く寄り添ってくれるバッグや革小物を、ぜひPAGOTで見つけてみませんか。
不完全だからこそちょうどよく、愛おしさが感じられる。そんなアイテムたちは、私たち自身も完璧ではなくてもいいと言ってくれているようにも思えます。ひとつ手にすれば、一緒に成長し、唯一無二の自分のものになっていってくれるはず。そんなふうに長く寄り添ってくれるバッグや革小物を、ぜひPAGOTで見つけてみませんか。
photo / PAGOT
PAGOT(パゴット)
直営店 COZY
兵庫県西脇市西脇138-2
TEL:0795-38-7720
営業時間:10:00~17:00
不定休
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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