貴方がブランドを育てる。デザイナー支援プロジェクト「maison407」

インターネットの普及・SNSの発展により、誰でも簡単にブランドを始めることができるようになりました。一方で、長く続けることは難しくなっているのも事実。そんな中始まったのが、自分のブランドを成長させたいデザイナーを支援するプロジェクト「maison407」。その新しい取り組みをご紹介していきます。
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ブランドを始めたいデザイナーを支援するプロジェクト

アパレルブランド「foufou(フーフー)」や「Re:poris(レポリス)」を展開する「teshioni(テシオニ)」の新たなプロジェクト「maison407(メゾン ヨンマルナナ)」。
本気で自分のブランドを作りたいデザイナーのために伴走しながら、その成長を支援するという新しい取り組みを実践しています。

リアルタイムで発信されるブランド成長の記録

maison407では、「ブランドを始めたい」「今あるブランドをさらに成長させていきたい」というデザイナーを募集。厳正な審査を経て選抜されたブランドに対して、プロの知見を活かし、1年で自分のブランドとして生産から販売まで、自走できる力を身に着けることを目的としています。

選ばれたデザイナーは、生産背景を管理するブランドマネージャーと、デザイン画を実際の形に起こすパタンナーとでチームを組み、洋服をデザイン・販売していきます。

販売に関しては、独自のSTEP制度を導入。1作目は10着、2作目は20着などと段階を踏みながら、ステップごとの定められた条件をクリアすると、また次の商品販売へと進むことができるのです。
こういったブランドの成長プロセスは、YouTubeやSNSを通じて、リアルタイムで発信されます。

公式YouTubeでは、各ブランドのデザインミーティングやトワル(仮縫いサンプル)チェックの様子などを、ドキュメンタリー形式で配信。
「このブランドがなぜ必要なのか」「この服が生まれることによって、誰が幸せになるのか」。デザイナーは、投げかけられた問いに真摯に向かい合いながら、自分なりの答えを見つけ出し、前に進んでいきます。

そんな様子を鑑賞しているうちに、客である私たちは自然と彼らを見守るような気持ちに。まるで親のような感覚で、生まれたばかりのブランドを立ち上げから応援することができるのです。

個性溢れるブランドたち

現在、デザイナーは3期生まで募集が完了しており、1・2期生は商品販売も始まっています。

今回は、1期生である4ブランドをご紹介。それぞれに魅力と個性に溢れたブランドばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
また、筆者がそれぞれのお洋服を試着した感想も添えておきます。

ちょっぴりワルなお姫様「syde」

ブランド一つ目は、「syde(サイド)」。
デザイナーのハンナさんは、アメリカ・シドニー育ち。文化服装学院服装科を卒業した後、ロンドンにファッション留学。帰国後4カ月でブランドを立ち上げました。

ブランドテーマは「ミステリアスプリンセス」。黒を基調としたシャープなデザインは、ちょっぴりワルなイメージです。しかし、一見ワルに見えながらも、ギャザーやパフスリーブなど、どこか可愛らしさや柔らさが盛り込まれているのがポイント。

筆者は、1・2作目のワンピースを試着。
とてもタイトなシルエットに見えるのに、着てみると思っていたよりもウエストやバスト周りに余裕があり、着心地はとても楽。ワルなのに、根は優しい。そんな印象のお洋服です。
襟を立てたり、ウエストリボンの結び方を変えたりなど、好きなようにアレンジして着ることができるのも魅力的でした。

上:rabbit wings(ブラウス)
15,500円(税込)
SYDE button(スカート)
20,000円(税込)

下:最愛のワル
22,500円(税込)

ランジェリーからインスパイア「Jade RINOKA」

「Jade RINOKA(ジェイド リノカ)」のブランドテーマは「心が豊かになるお守り」。
デザイナーの芝氏 莉乃香さんは、フランスの服飾学校でランジェリーについて学び、ランジェリーデザイナーとしての経験があります。

手掛けるお洋服は、ランジェリーのディテールを取り込んだデザイン。セクシーさを残しつつも、大胆すぎず上品な印象にまとまっています。色味も、淡いグリーンやアイボリーなど、柔らかなニュアンスカラーが多く、大人の女性でも取り入れやすいですよ。

筆者が着たのは、1作目のキャミソールワンピと2作目のスリップドレス風ワンピ。
普段はあまり手に取らないデザインだったのですが、着てみると意外としっくりときました。生地がとても柔らかくて程よく体に沿い、シルエットがとても綺麗だったのが印象的。
同ブランドのアイテム同士で組み合わせたり、手持ちのお洋服とレイヤードしたりなど、様々な着こなし方を楽しめそうです。

上:ネグリジェドレス 
21,000円(税込)

下:20年代風 リボンキャミソールワンピース
21,500円(税込)

古着の良さを未来に残したい「hérit」

3つ目のブランド「hérit(エリタ)」。
デザイナーのKaho Fujiwaraさんは、服飾専門学校を卒業後、ニットデザイナーとして活躍。幼い頃より 自分のブランドを持ちたいという夢があり、héritを立ち上げました。

ブランドテーマは「古着好きの質と拘りのある生活」。
古着好きであるKahoさんは、ヴィンテージのお洋服やミリタリーウェアなど特有のディテールや機能美を、現代に馴染む形でデザインに落とし込みます。そこには、古着の魅力や歴史を伝えていきたいという想いも。héritのお洋服を通して、当時その仕様が使われた背景や理由などを知ることができるのも、楽しみのひとつです。

筆者は、1作目のワンピースと3作目のサージカルガウンを試着しました。
カジュアルに見えるのですが、素材感や細部のデザインに品の良さが感じられ、ちょっと特別な普段着、または、肩の力を抜いて着られるお洒落着といった印象です。
古着のデザインは好きでもサイズ感が合わなかったり、なんだか野暮ったくなってしまう…とお悩みの方にぴったりのブランドだと思います。

上:BDU BLACK 357 ショートジャケット
21,000円(税込)
BDU BLACK 357ハイウエストパンツ
18,900円(税込)

下:スウェーデン軍M-55シャツワンピース
19,800円(税込)

花の美しさに想いを寄せて「profloom」

4つ目のブランド「profloom(プロフルーム)」。
デザイナーは、1期生の中で唯一の男性である花粉症さん。医療系4年制大学卒業後、foufouの試着会にスタッフとして参加した事から服作りに興味を持ち、文化服装学院Ⅱ部服装科に入学。現在在学中です。

ブランドテーマは「背伸びする服」。
花をモチーフに、それぞれの花の特徴や花言葉をデザインに落とし込んだお洋服を展開しています。

筆者は、1・2・3作目のワンピースを試着。
すべてに共通するのは、全体の凛とした雰囲気と、シンプルに見えてどこか一癖のあるデザイン。また、袖や襟元・バックなどのちょっとした仕様やフォルムによって、姿勢や仕草までも美しく見えること。
10・20代が着れば、ぐっと大人な印象に。もっと大人が着れば、より洗練された雰囲気に。どの年代が着ても、その人の魅力を引き出してくれるブランドです。

上: Gypsophila(カスミソウのノースリーブワンピース)
21,000円(税込)

下:Casablanca lilium(カサブランカのワンピース)
19,800円(税込)

デザイナーとの交流も楽しめる試着室

商品の販売はオンラインストアのみですが、maison407では、デザイナーと交流しながら試着できる完全予約制の試着室「407試着room」を設置。
訪れれば、デザイナーから直接デザインのこだわりを聞きつつ、商品を自由に試着をすることができます。

筆者が訪れた際は、アットホームな雰囲気の中、お洋服の話はもちろん、好きな音楽や趣味の話などで盛り上がりました。そして、楽しい時間共有することで、デザイナーをよりいっそう身近に感じ、そのブランドのファンになり、もっと応援したいと思うように。

maison407で今までにない特別な体験を

各ブランドの商品購入は、公式オンラインストアからどうぞ。それぞれのブランドの公式LINEに登録すると、販売日のお知らせが届きますよ。
販売が開始されている商品は、すでに完売となっているものも多いですが、今後も新しいアイテムが続々と発表されるそうなのでお楽しみに。

ブランドやそのお洋服がどのように作られ、デザイナーが何に迷い、どう乗り越えていくのか。そんなブランドの成長を見守りながら商品を購入し、身に着けることが、またブランドの成長に繋がる。それはきっと、他では味わえない特別な体験になるはずです。

※各商品販売状況は変動します。売り切れの可能性もございますので、ご了承ください。

photo / maison407

maison407(メゾン ヨンマルナナ)

https://maison407.teshioni.com/

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