民芸好き・器好きが惹かれる沖縄の手仕事「やちむん」。秋の食卓を彩る器特集
手仕事の温もりが感じられる、ぽってりとした厚みの「やちむん」。沖縄生まれのこのやきものは、南の島の風土を受け継ぐおおらかさがあり、暮らしに寄り添う器として民芸好きならずとも人気です。そんなやちむんの歴史と魅力を探りつつ、やちむんを取り扱う店「手しごと」のとっておきの品々をご紹介します。
- 2020.10.18
- インテリア・生活雑貨
沖縄で生まれ育った「やちむん」とは?
「やちむん」とは、沖縄の方言で「やきもの」のこと。分厚く丸みのある形状が特徴です。沖縄の赤土が焼土強度が低いためや、琉球料理を盛り付けやすかったためなど、その形状になった理由は諸説ありますが、どちらにしても沖縄の風土や習慣が色濃く影響しています。絵付けも魚や草木が多く、まさに自然の恵み豊かな沖縄がぎゅっと凝縮された器なのです。
その歴史は古く、古代の土器にはじまり、中世以降は中国、朝鮮、ベトナムなどの周辺諸国の影響を受けながら現在の形へと作り上げられました。琉球王朝時代には献上品として用いられ、王府の庇護のもと、沖縄のやきもの文化が花開きます。
しかし、明治時代に入って琉球王国が滅び、さらには本土から安価な磁器が大量に流入すると、一転して衰退の危機が訪れます。その危機を救ったのが、当時、思想家・柳宗悦や陶芸家・濱田庄司らによって進められた「民藝運動」です。民藝運動とは、暮らしの中の日用品に美を見出し再評価するというもの。やちむんも、柳宗悦らに見出されたことで本土へと伝わり、優れた手仕事として高く評価されるようになります。
その歴史は古く、古代の土器にはじまり、中世以降は中国、朝鮮、ベトナムなどの周辺諸国の影響を受けながら現在の形へと作り上げられました。琉球王朝時代には献上品として用いられ、王府の庇護のもと、沖縄のやきもの文化が花開きます。
しかし、明治時代に入って琉球王国が滅び、さらには本土から安価な磁器が大量に流入すると、一転して衰退の危機が訪れます。その危機を救ったのが、当時、思想家・柳宗悦や陶芸家・濱田庄司らによって進められた「民藝運動」です。民藝運動とは、暮らしの中の日用品に美を見出し再評価するというもの。やちむんも、柳宗悦らに見出されたことで本土へと伝わり、優れた手仕事として高く評価されるようになります。
やちむんの里でひと際目を引く「読谷山焼 北窯」
戦後は物資の不足から、沖縄では復興の一環としてやきものがさかんとなります。当初は那覇の中心地である壺屋(つぼや)に多くの窯が集まっていましたが、都市化が進んだため、しだいに優秀な陶工たちは郊外の読谷村(よみたんそん)へと移っていきます。こうして誕生したのが「やちむんの里」です。
やちむんの里には現在、19もの窯元が集まっています。店舗を兼ねた工房もあり、見学がてら気に入ったやちむんを購入することができる観光スポットとしても有名です。
そんなやちむんの里の中でも、格別の存在感を放つのが13連房の大型の登り窯を構える「読谷山焼 北窯(よみたんざんやき きたがま)」。当時の若手陶工たちが独立してはじめた共同窯で、モダンかつ力強い作風が特徴です。あとでご紹介する「手しごと」や鎌倉の「もやい工藝」の創立者である故・久野恵一氏も深くかかわっています。
やちむんの里には現在、19もの窯元が集まっています。店舗を兼ねた工房もあり、見学がてら気に入ったやちむんを購入することができる観光スポットとしても有名です。
そんなやちむんの里の中でも、格別の存在感を放つのが13連房の大型の登り窯を構える「読谷山焼 北窯(よみたんざんやき きたがま)」。当時の若手陶工たちが独立してはじめた共同窯で、モダンかつ力強い作風が特徴です。あとでご紹介する「手しごと」や鎌倉の「もやい工藝」の創立者である故・久野恵一氏も深くかかわっています。
「窯焚き」では寝ずの番を
北窯での窯焚きは年に5回だけ。やんばる地方(沖縄県北部)の琉球松を使い、およそ60~80時間かけて焼き上げます。火入れと呼ばれる初日は丸一日かけて1300度の高温まで温度を上げ、それから窯出しの日まで寝ずの番をして見守ります。
こうしてやちむんは、手間ひまかけた丁寧な手仕事と沖縄の恵まれた風土から誕生するのです。
こうしてやちむんは、手間ひまかけた丁寧な手仕事と沖縄の恵まれた風土から誕生するのです。
暮らしの中で使いたいおすすめの器
おかずが盛り付けやすいサイズ感の皿
そんな優れた手仕事であるやちむんですが、気取りがなく、私たちの生活にフィットする日用の器でもあります。ここで、使い勝手のいいおすすめの器をいくつか見てみましょう。
まずは、一人前のおかずの盛り付けにちょうどいいサイズ感の6寸皿。草呉須と呼ばれる少し渋めの緑色と飴色の2色で、沖縄伝統の唐草モチーフが描かれています。落ち着いた色合いが、盛り付けた料理を引き立ててくれそう。
やちむん独特の分厚い厚みも素朴で温かみがあり、日々使っていくうちに親しみと味わいが増してくるお皿です。
【やちむん・糸満】6寸皿 草呉須 唐草
2,860円(税込)
まずは、一人前のおかずの盛り付けにちょうどいいサイズ感の6寸皿。草呉須と呼ばれる少し渋めの緑色と飴色の2色で、沖縄伝統の唐草モチーフが描かれています。落ち着いた色合いが、盛り付けた料理を引き立ててくれそう。
やちむん独特の分厚い厚みも素朴で温かみがあり、日々使っていくうちに親しみと味わいが増してくるお皿です。
【やちむん・糸満】6寸皿 草呉須 唐草
2,860円(税込)
和洋で使える水玉フリーカップ
いびつな形の水玉模様が何ともかわいらしいフリーカップ。手にすっぽり収まる小ぶりのサイズ感がよく、日本茶でも、コーヒーやミルクでも、和洋どちらにも使えるデザインも魅力的です。
よく見ると釉薬に濃淡があり、こんな小さなカップからも手仕事ならではの味わいがしっかりと感じとれます。
【やちむん・糸満】フリーカップ 小 点打ち
1,650円(税込)
よく見ると釉薬に濃淡があり、こんな小さなカップからも手仕事ならではの味わいがしっかりと感じとれます。
【やちむん・糸満】フリーカップ 小 点打ち
1,650円(税込)
モダンな花模様そばちょこ
こちらはそばちょこ。といっても、そばちょこらしからぬぽってりとした佇まいが新鮮で、小鉢にも、デザートカップにも使いたくなる形状です。
大胆に描かれた花模様は南国らしくおおらか。ほどよいモダンさもあるので、和に偏らず普段の暮らしに活用できそうです。
【やちむん・読谷】そばちょこ 花紋
1,650円(税込)
大胆に描かれた花模様は南国らしくおおらか。ほどよいモダンさもあるので、和に偏らず普段の暮らしに活用できそうです。
【やちむん・読谷】そばちょこ 花紋
1,650円(税込)
沖縄ならではのお椀「マカイ」
「マカイ」とは沖縄でお茶碗からどんぶりまでを総称する言葉。こちらは手頃な飯椀サイズです。一般的なお椀とマカイの違いは形にあって、マカイのほうが口台が広く、どっしり感があります。「なんとなく親しみやすい形」が特徴です。
もちろんお茶碗として使ってもいいし、料理を盛り付けてもOK。存在感のある器なので、食卓に花を添えてくれます。
【やちむん・糸満】4寸マカイ 藍 唐草
1,980円(税込)
もちろんお茶碗として使ってもいいし、料理を盛り付けてもOK。存在感のある器なので、食卓に花を添えてくれます。
【やちむん・糸満】4寸マカイ 藍 唐草
1,980円(税込)
食卓を彩る素敵な器に出会える
ご紹介したこれらの器は、すべて「手しごと」のウェブサイトでチェックできます。「手しごと」は、久野恵一氏が創設した民芸店。現在はオンラインショップにて、オーナー自らが日本各地を巡って選りすぐった手仕事の数々を紹介しています。
定期的に各地の手仕事にスポットをあてた企画展も行っていて、10/2(金)~10/30(金)はSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSでやちむんだけでなく、全国各地の焼きもの、ガラスなどを紹介する企画展を開催中。さらにお店の展示室を10/17(土)にオープンしたばかりです。この機会に、お気に入りの器探しに足を運んでみませんか?
※時期により、紹介している商品に在庫がない場合があります。ご了承ください。
定期的に各地の手仕事にスポットをあてた企画展も行っていて、10/2(金)~10/30(金)はSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSでやちむんだけでなく、全国各地の焼きもの、ガラスなどを紹介する企画展を開催中。さらにお店の展示室を10/17(土)にオープンしたばかりです。この機会に、お気に入りの器探しに足を運んでみませんか?
※時期により、紹介している商品に在庫がない場合があります。ご了承ください。
photo / 手しごと
手しごとオンラインショップ
手しごと展示室
東京都三鷹市下連雀3-9-12-201
TEL/FAX:0422-77-4241
営業時間:11:00~18:00
営業日:毎週金・土・日曜(臨時休業あり)
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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