捺染で生み出される物語のある絵柄。夏におすすめの坂本友希さんのストール

シルクスクリーンの型を使った「捺染(なっせん)」という方法で生み出される坂本友希さんのテキスタイル。自然の風景や動物たちが描かれた柄は、どこか物語を感じさせるものばかりです。中でも吸水性に優れたストールは、夏の日焼け防止や冷房対策にもおすすめですよ。
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物語を感じさせるテキスタイル

坂本友希さんは、シルクスクリーンの型を使って布を染める「捺染(なっせん)」という手法を中心に、ハンカチやストールなどを手がけるテキスタイル作家。
デザインから型作り・プリント作業までを、すべてひとりで行っています。

テキスタイルのモチーフは自然の風景や動物たち。まるで絵本の一場面のような物語性を感じるものばかりです。
北海道で制作活動を行っている坂本さんは、身の回りにある自然や出来事、本で読んだ物語など、日常の中の様々なものからインスピレーションを受けるそう。そうして頭の中に生まれた物語を、布に染め付けています。

一枚一枚、手作業で丁寧に

捺染とは、版画のように、型を用いて染料を布地に摺りつけて染める方法のことを指します。
坂本さんの場合、Tシャツのプリントなどにも用いられるシルクスクリーンの型を使います。絵柄の部分に孔(あな)が開いた版の上に、染料とのりを混ぜた色のりを乗せ、スキージーと呼ばれるヘラを版の上で滑らせます。すると孔の部分にだけ色が落ち、布に絵柄が現れるのです。

坂本さんは、そのプリントされた布に、直接筆や手で色付けするなど、大量生産ではできない技法も加え、一つひとつ丁寧に制作しています。

プリントした後は、蒸す・洗う・仕上げ(アイロン・縫製)といった工程が待っています。この蒸しや洗いは、使用する染料によって異なり、複雑で手間のかかる作業なのだそう。

こうして手間暇をかけて完成したテキスタイルは、型によるくっきりとした輪郭と、直接色付けしたことによるやわらかな印象を持ち合わせ、独特の魅力と手仕事の温かみが感じられます。

爽やかなブルーのグラデーション

こちらは「くものストール」。
寝っ転がって見上げた空と木がイメージとなった柄は、爽やかなブルーが夏にぴったりですね。微妙に色の異なる染料を版の上に同時に置いて刷ることで、少しずつ色が混ざり合い、グラデーションを作っています。
素材はコットンリネン。程よいシャリ感で、汗ばむ季節でも心地よく過ごすことができますよ。

幻想的な森の中をさまよう

ぐるぐると同じところを回っているような森の景色と、走るキツネの絵が続く「まよいみちのストール」。
森とキツネの柄以外は、手で直接色を付けて染めたもの。ムラのある黄色や水色が霧や靄のようで、絵柄をより幻想的に見せてくれます。
生地にはオーガニックコットンが使われており、柔らかな肌触り。冷房で冷えた肌をふんわりと優しく包んでくれますよ。

大空を飛ぶ渡り鳥たち

鳥が連なって飛んでいる「とりたちのストール」。どこかへ向かっていく渡り鳥をイメージしたのだそう。「まよいみちのストール」と同じように、鳥の背景にある全体の色は手で直接染められています。
ブルーは夏の青空を思わせ、ピンクは夕暮れの温かでちょっぴり切ないような時間帯を思い起こさせます。
こちらも生地はオーガニックコットンで、肌に優しい着け心地です。

捺染は、布の吸水性を保ったまま色を染めることができるのも特徴のひとつ。汗をかく季節には嬉しいポイントですね。

夏の日焼け防止や冷房対策に

ストールは、イベントや展示会場で購入できます。
直近では北海道東川町の「北の住まい設計社」ショールームにて、6月22日(土)~23日(日)に開催される夏至祭のガーデンマーケットに出展予定です。お近くの方は是非足を運んでみてくださいね。

日差しがどんどん強くなり、オフィスや電車の中など、冷房でギンギンに冷える真夏もすぐそこ。この夏の日焼け防止や冷房対策に、肌触りが良く吸水性に優れた坂本友希さんのストールをお迎えしてみませんか?

photo / 坂本友希

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