食べて、感じて、自分と向き合う。ひとりを愉しむためのカフェ「sens et sens」

カフェで友達と話したり、スイーツを写真に撮ったりするのも楽しいですが、たまにはひとりでスマートフォンを見ずに過ごしてみませんか。今回紹介する「sens et sens(サンス・エ・サンス)」は、店内では極力スマホを使わない、といった独特のルールをもつカフェ。自分と向き合う時間を与えてくれる注目の場所です。
 ゆりか

自分と向き合えるカフェ「sens et sens」

東京・つくし野駅にほど近い、カフェ「sens et sens(サンス・エ・サンス)」。店主の菅井さんが一つひとつ丁寧に作るサンドウィッチやサラダといった軽食・スイーツ・コーヒーなどのドリンクを味わうことができます。店名は「感性と感性」という意味を表し、日々騒々しく、多くの情報が飛び交う中、訪れた人が心から落ち着いて自分と向き合うことができる時間が過ごせるように、との思いをもっています。

白い扉を開け一歩中に足を踏み入れると、その静謐な雰囲気に圧倒されるかもしれません。癒しの場を提供してくれるカフェは数多くありますが、このsens et sensの特徴は、ひとりを愉しむためのカフェであるということ。そしてそれを可能にするため、訪れる人も守るべきいくつかのルールが設定され、その環境が作られているのです。

ひとりを愉しむため、食と自分と向き合う

大きなルールをふたつご紹介します。ひとつめは、基本的にひとりでの利用と定められていること。2回目以降は予約をすればふたりで一緒に座ることができますが、声のトーンに気を付けて、落ち着いた会話を楽しむようにしましょう。
ふたつめは、スマートフォンやパソコンなどの電子機器の音は消し、机の上に出したままにしないようにすること。インターネットを使うのは、電車の時間を調べるといった必要最低限のときのみに限定し、写真撮影も自分が注文したものだけを、食べる前に2枚までならOKと決められています。これらは、インターネットからの情報で頭を使ったり、記録することに夢中になったりといったことを極力避け、その時間を大切に過ごしてもらいたいとの思いからです。

魂が込められた自家製パンと、それを使ったサンドウィッチ

余計な情報は遮断し、会話も控える。sens et sensでは、そうしてまっすぐに集中して食べたいと思うような、こだわり抜いた食事が提供されます。例えば、「魂の宿る、心に響くパンを焼く」というモットーを掲げて作られた自家製のパン。菅井さんは、昨日と同じものをつくればいいと思ったことはないと語ります。いつも前回よりも精密に、深く、完成だと思える味に近づけるように感覚を研ぎ澄まし、そのパンに合わせた素材・製法を徹底して焼き上げているのだそう。
使用するのは、北海道・上富良野で採れ、石臼で挽かれる「はるゆたか」の小麦全粒粉を中心とした小麦やライ麦です。それらの粉それぞれの特性を活かしながら、日々ブレンドをしています。温度や湿度で変化する粉の状態をみて、1%単位で比率を変えることもあるのだとか。また酵母は、有機レーズンから起こしたり、季節によってさまざまなフルーツから起こしたりと、その時々にあった酵母づくりを行っています。そうやってできた自家製酵母をパンに合わせて使用し、約24時間じっくり熟成・発酵。そのほか、塩やバター・砂糖など、どれもこだわって選んだ複数の種類を使い分けているそう。

こちらはその自家製パンのひとつ、カンパーニュが使われた「ペッパーハムとグリュイエールチーズのサンド」。具材のペッパーハム・セミドライトマト・グリュイエールチーズ・カルピスバター・粒マスタードをただ挟んでいくのではなく、口に含んだときにすべてが馴染み、おいしく感じられるようにしているそう。
ペッパーハムはお肉の脂の甘みが十分にあるので、使用するバターは少なめに。生ハムを使うときは最後に冷えたバターを挟むそうですが、ペッパーハムの場合はバターが少し溶けた方が味が馴染むので、先にサンドして少し温度を戻すようにします。また、トマトは、水分が出て味が薄まってしまう生のものは使用せず、セミドライに。

そうした細かなことにも気を配り、こだわり抜いてメニューを作り上げているのです。だからこそ、食べることに集中して、じっくり味わいたいと思いませんか。

コーヒーやケーキにもこだわりが

パンのほかにも、豆本来の味を絞り出せるようにと考えて淹れられるスペシャルティコーヒーに、見た目の美しさと味にため息が出るようなスイーツも。五感すべてを使って味わいたくなるものばかりです。

お食事メニューのある日と、スイーツ限定の日とが分けられているそうなので、SNSやブログの最新情報をチェックしてから足を運んでくださいね。

ひとりの時間を愉しむためのカフェsens et sens。設けられた細かなルールに驚いた方もいるかもしれませんが、一方で普段の食事のときに、どれだけその食べ物の味に向き合うことができているか、考えさせられるような気もしませんか。
今を楽しめるような余裕がないと感じたり、慌ただしくて疲れがたまっているなと感じたりしたとき、sens et sensへ訪れてみてはいかがでしょう。普段とは異なる静かな空間で、ただ美味しい食事を口に運び味わえば、自分の薄れていた感覚や感情がきっと戻ってくるはずです。

photo / sens et sens

sens et sens
東京都町田市つくし野1-28-6

http://sensetsens.jp/top2.html

※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
内容について運営スタッフに連絡

関連キーワード

関連特集