アートスペースであり、コーヒースタンドであり、町の港である「HATOBA」

西荻窪の町に、自由で軽やかな新しい空間が誕生しました。その名も「HATOBA」。店名の前には冠辞のごとく“町の港”とあります。そう、HATOBAのフルネームは“町の港 HATOBA”なのです。一体どんなスペースなのでしょう……?
 鍛冶 紀子

黄色の光を抜けて二階へ上がろう

西荻窪駅からおよそ7分。左手側にブラウンの濃淡で描かれたボーダーの建物が見えてきます。一階はボーダーシャツや家Tシャツで知られるアパレルブランドの「STORE」。二階が今回ご紹介する「HATOBA」です。ガラス扉を開けると、ポップな黄色のライティングが出迎えてくれます。

アートスペースとしての「HATOBA」

「HATOBA」はアパレルブランドの「STORE」がオープンした新しいアートスペース。2016年2月のオープン以来、刺繍作家の高知子さんの展示やRoundaboutの主張販売などを開催してきました。

床から続くボーダーは、「STORE」のメイン商品であるボーダーシャツとのリンク。元々あった梁を活かした空間は、天井が高く抜けていることもあり解放感があります。窓が多いので、光がたっぷり入って気持ちいい!

コーヒースタンドとしての「HATOBA」

スペースの奥にはコーヒースタンドが!「HATOBA」は展示空間であると同時にコーヒースタンドでもあります。船がひととき停泊するように、コーヒーやビールを片手にひと休みできる場所。そう、ここはまさに“町の港”なのです。

この日の「HATOBA」のコーヒーは、秋田の08COFFEEと徳島のaalto coffeeのもの。ビールはエビス。代表の國時さん曰く、HATOBAで提供するものは地名のあるモノを選んでいるそうです。「だから“サッポロ”ビールもアリなんだけどね」と笑って話してくれました。

特にコーヒーは、地方へ行商へ行った際に知り合った焙煎所のものをチョイスしているそう。「STORE」の洋服を介して得た知己を、町の港「HATOBA」に活かしているのです。

ひとこと編集後記

洋服とミシンを持って気軽に行商へ出る彼らは、各地の“港”で縁を紡ぎ、拠点である西荻窪という“港”にその縁を持ち帰っています。そして、海の港にたくさんの船が発着するように、町の港「HATOBA」にはたくさんの人々が発着していきます。それはとても素敵なサイクルです。

「HATOBA」では定期的に展示会を開催しています。年間のスケジュールはホームページで確認できるので、ぜひご覧ください。コーヒースタンドの利用は展覧会の有無に関わらず、常時OK。ふらりと停泊して、ひと休みしたら出港。そんな気分で立ち寄ってみるのがおすすめです。

photo / 鍛冶 紀子

町の港「HATOBA」
〒167-0042
東京都杉並区西荻北5-7-19 HATOBA CMA
TEL:03-3397-1791
営業時間:12時〜19時(月曜日・火曜日定休)

http://hatoba-cma.com/HATOBANEWS.html

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