住野よるのベストセラー小説が実写映画化『君の膵臓をたべたい』

刺激的なタイトルからは想像もできない物語の美しさと展開に、世代を超えて人気を博している『君の膵臓をたべたい』が実写映画化します。映画では、原作にない12年後の《現在》が描かれており、《現在》と《過去》が交差しながら物語を紡いでいきます。
 新 麻記子 読者ライター

原作にはない、12年後の“僕”のストーリー

高校時代のクラスメイトである山内桜良の言葉をきっかけに母校の教師となった“僕”は、自分の教え子である栗山と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月間の《過去》を振り返っていきます。膵臓の病を患う彼女が密かに綴っていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、僕と桜良は次第に一緒に過ごすようになっていきました。しかし、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々は終わりを告げ、12年もの歳月が経過した《現在》では、結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子も、僕と同様に桜良と過ごした日々を思い出していました。そして、ある事をきっかけに2人は桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知ることになります。

純粋で真っ直ぐな空気感を表現した原作

小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿した住野よるさんの本作を担当編集が発見したことから書籍化が決定。作中で描かれているのは、恋愛とも友情とも言い表せない、2人の高校生の関係性が描かれています。
作品発売後、10代を中心にヒロインの桜良と主人公の僕に共感する声が続々届き、想像もつかない物語のラストに涙する声も多く寄せられています。その感動は、ティーンのみならず、その親世代まで広がり、現在では小学生から大人まで幅広い世代に愛される作品となりました。発売から1年以上経った現在でも人気を博し、2016年本屋大賞・堂々の第2位、180万部突破のベストセラーです。
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今求められている青春映画

ラブストーリーではないという原作者の意図を汲み取り、恋愛関係に落とし込まない僕と桜良の関係性を重視し、二人の距離感を丁寧に描いているところにリアリティーを感じました。そこには、恋か愛か見分けがつかない10代の無垢な気持ちが描かれておりながらも、えもいわれぬ感情を表現した「君の膵臓をたべたい」という感情を丁寧に描くことで、タイトルのアンサーになっています。本作は決してキラキラ映画には偏らない、今求められている青春映画なのだと思います。

一日の価値は一緒

難病・闘病系ものでもなく、ラブストーリーでもない。主人公の二人が瑞々しく真っ直ぐな青春物語でありながら、それぞれの想いが交差していくヒューマンドラマになっている本作品。
タイムリミットがある中で生きていかなければいけないということは、そう簡単には言えない言葉があるように思いました。キラキラしながらも好きや嫌いだけでは語れない、鑑賞後に心が洗われるような感覚と共に、明日からどのように生きようかと考えさせられます。

photo / (C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社

『君の膵臓をたべたい』
2017年7月28日公開
監督:月川 翔
脚本:吉田智子
キャスト:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地
     上地雄輔、北川景子、小栗旬
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)

http://kimisui.jp

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