キッチン用品を試してから買える、ありそうでなかったお店、京都「LADER」
洋服だって、食品だって、買う前に試せるのにカトラリーはなぜ試せないの? 使い心地を試したい…という願いをかなえてくれる、ありそうでなかったお店をみつけちゃいました。
- 2016.4.15
- 旅行・お出かけ
長く使う日用品だからこそ、自分が必要としているものを見つけたい
皆さんはカトラリーや、キッチンツールなどを買うとき何を基準に選んでいますか? 有名ブランドの商品だから、デザインが気に入ったから、安かったから…。選ぶ基準は人それぞれですが、そうやって購入した商品なのに「使い心地が悪い」「洗いづらい」「手になじまない」といった経験をした人は多いはず。ましてや、食器やカトラリーは、一度買ったら、そう簡単に壊れないので必然的に長く使うことになります。だからこそ、こうした日用品こそ、使い心地を事前に試せたらいいのに…そんな願いをかなえてくれるのが、京都にある「LADER」。店主の橋本さんが自分自身で使い心地を試して「これ」と思った商品を紹介。実際に使い勝手を試してから購入することができるんです。
洋服や食品と同じように、カトラリーだって「試し使い」したい!
「洋服には試着、食品には試食があるのに、カトラリーは肝心の口あたりを試すことができない。それって、おかしいと思ったんです」と橋本さん。自分自身の「こんな店があったらいいのに」が、「LADER」を作るきっかけだったと言います。実際に店内の商品にはブランド名などは書いてありません。ブランド名は使い心地には関係がないからです。その代わり、商品にはひとつひとつ、商品名と価格、そして橋本さんのコメントが書かれたPOPが添えられています。たとえばセラミックのおろし器は、用途や使い勝手のほかに「薬味用なので大根にはちょっと不向き」というコメントも。単に商品を絶賛するのではなく、商品の特徴をきちんと伝えてくれます。
早速、商品の使い方を教えていただきました
気になる商品があれば店内備え付けの小さな流しで実際に使うことも可能です。まずは橋本さんがお手本を見せてくれたあとに、実際に商品を手にもって挑戦。取材の日は、トマトの皮もむけるというピーラーでニンジンの皮むき。
見るだけでは分からない、自分で使ってみて初めて気づくことも
人はみんな手の大きさや握力も違いますから、橋本さんにとって使い心地がよくても、みんながそうとは限りません。実際に、自分でその使い心地を試してこそ、はじめてその商品の良さがわかります。
大切なのは自分の中の「買わない基準」
「LADER」が大事にするのは使い心地だけではありません。家の中に置いておきたくなる、部屋のインテリアの邪魔にならないデザイン、そして適正な価格も重要です。橋本さんは自身でものを選ぶときに「買わない基準」を見つけるのだと言います。「これは素材がこうだから買わない、この形だから自分のキッチンには合わない」といった、自分自身の買わない明確な基準を持っていると、「かわいい」「珍しい」と衝動買いをして、結果失敗することがなくなると言います。「LADERで気に入る道具が見つからなくても、ここに来ることで自分の中の基準を見つけてもらえれば」と橋本さん。
「モノ」ではなく心地よく暮らすための「基準」を提案する店
そんな橋本さんが最近、衝撃を受けたというのがこの「醤油さし」。こちらは、口が広く女性の指でも簡単に底まで届くサイズなので、隅々まできれいに洗うことができます。そのため、醤油が切れたらすぐに洗って新しく注ぐことができるので、常に鮮度の高い醤油を食卓に置くことができると言います。醤油の鮮度を保つためには、入れ物を洗うことが苦でないことが大事だということに、この醤油さしに出会ってはじめて気づいたのだそうです。暮らしを豊かにするということは、多くのものを持つことではないと「LADER」にきて、改めて実感しました。自分にとって本当に必要で、心地いいと思えるものを使う。自分が納得できないもをを持たないことで生まれる「心地よさ」それが「心の豊かさ」につながる、そんな体験をぜひ「LADER」でしてみてください。
photo / 古石洋平
LADER
〒601-8003
京都府京都市南区東九条西山王町 1-9 2F
※2016年5月以降、移転の予定あり。
詳しくは下記のHPをご確認ください。
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