老舗が紡ぐ、日本の美味しさ
海苔が主役の御膳や、一煎一煎丁寧に淹れていただくお茶など、ここでしか味わえない美味しさを堪能できる「山本山 ふじヱ茶房」。江戸中期から上質なお茶と海苔を販売し続けてきた老舗の「山本山」が、“上質なお茶と海苔を、最高の状態で召し上がっていただきたい”という願いを込め、創業の地である日本橋に開店したのがこの茶房です。
お店は地下鉄日本橋駅を出てすぐ、日本橋高島屋の新館側1Fの中央通り沿いに入口があります。シンプルながらも目を惹く、洗練された佇まいに気品を感じます。
和モダンな美意識が息づく茶房
のれんをくぐると、現代的な雰囲気の中に日本の趣を感じる“和モダン”な空間が広がっていました。
食事をより特別な時間にする座席
まずはお茶や食事をいただく席からご紹介します。こちらはお茶を淹れる様子を間近で見ることができるカウンター席。洗練された所作を眺めながら、臨場感の中でお茶や食事を楽しむことができます。
カウンター席の向かい側には、昭和初期から店頭に掲げられていた木製の彫刻看板がありました。モダンな空間の中で、風格のある佇まいを生み出しています。
大きなガラス窓から柔らかい光が差し込むテーブル席。アーチを描いた背もたれの椅子がおしゃれです。
奥には大人数で座れる席があります。石で作られた作業台は重厚感があり、老舗ならではの風格が漂う空間。このエリアだけ床の色が違ったりと、特別感のある席です。
和の美意識を感じるディスプレイ
山本山は、長い歴史の中で和紙を取り扱っていた時期も。奥に見える壁面のアートは、和紙×茶葉で江戸の古地図をイメージしているのだそう。お料理を待つ間にじっくり眺めても楽しめそうです。
茶房の奥には、お茶や海苔を保管できるような箱がディスプレイとして美しく並んでいました。お茶と海苔の専門店ならではのしつらえにワクワクします。
お茶や海苔を購入できる物販コーナーも
物販エリアでは、山本山のお茶や海苔を購入することができます。自宅用から贈りものにぴったりな詰め合わせまで、幅広く取り揃えられていました。
主役は海苔!人気No.1メニューの「膳 にほんばし」
つづいて、山本山最高級の海苔が使われた人気No.1メニューの「膳 にほんばし」をご紹介。ふわふわな「バラ干し海苔」がぎっしりと敷き詰められた様子は圧巻です。添え物として登場することが多い海苔ですが、これは主役級の美味しさでした。
断面を見てみると、食感の異なる海苔やごはん、オリーブオイルで和えたちりめんじゃこが、ミルフィーユのように重なっていました。味わいに変化があって一口一口新鮮な気持ちでいただけます。
中央に輝く鮮やかな梅は、紀州南高たたき梅。果肉が柔らかく、まろやかな酸味とほどよい塩気が海苔と好相性でした。小鉢の酢の物やおひたしはさっぱりとした味わいで、メインの海苔弁との相性抜群。蓋を開けると磯の香りが広がるお味噌汁は、海苔がたっぷり入っていて食べ応え満点でした。
どれも優しい味わいでしたが、食べ切る頃にはお腹がいっぱいに。満足度の高い御膳でした。海苔弁当はテイクアウトもあるので、自宅やオフィスでも楽しめます(おかずは付きません)。
膳 にほんばし 2,800円(税込)
にほんばし海苔弁当(テイクアウト) 2,200円(税込)
どれも優しい味わいでしたが、食べ切る頃にはお腹がいっぱいに。満足度の高い御膳でした。海苔弁当はテイクアウトもあるので、自宅やオフィスでも楽しめます(おかずは付きません)。
膳 にほんばし 2,800円(税込)
にほんばし海苔弁当(テイクアウト) 2,200円(税込)
職人の手さばきが見られる玉露のコース
山本山が発明し、日本に広めた「玉露」をじっくりと味わえるお茶のコース「玉露 しふく」。抽出時の温度別に、香りと味わいが異なる3杯を目の前で淹れていただけます。美味しさはもちろんのこと、ここでしか味わうことができない新鮮な体験とともにお茶を堪能できる、まさに“至福”のひととき。
茶葉を計量する様子など、お茶を淹れるプロセスを全て見せていただけます。
1煎目・すっきりと飲みやすい【甘み】
一煎目の「甘み」は、低温(零度)で抽出された玉露。一晩かけてじっくりと氷から引き出された味わいは、すっきりと、ほんのり甘みを感じます。お茶を嗜む習慣が無い私にとっても飲みやすく、最初の一煎として、とても親しみやすい味わいだなと思いました。
2煎目・口いっぱいに広がる濃厚な味わい【旨み】
二煎目からは目の前で玉露を淹れる様子を見せていただけるので、素敵な所作も楽しみながら過ごすことができます。
二煎目の「旨み」は、中温(40度)で抽出。濃厚で、口に含んだ瞬間に旨味が広がっていき、何層にも重なる味わいを楽しめるような一煎でした。一緒に出していただいたのは、銀座鈴屋の甘納豆。濃厚なお茶とのバランスがちょうどよかったです。
3煎目・心もからだもあたたまる【滋味】
三煎目は、やや熱めの温度(70度)で抽出した「滋味」。奥深いけれど飲みやすく、どこかミネラルを感じるような味わいです。心がほっとする温度で出していただけるのもあってか、美味しさを楽しむだけでなく感情にも響いてくるような一杯でした。合わせていただいた和菓子は、榮太樓總本鋪のきんつば。老舗同士の、間違いない組み合わせです。
4煎目・季節の果実とのタッグを楽しむ【香り】
四煎目、ラストを飾る「香り」は、高温(90度)で抽出し、その後ロックアイスに入れて急冷した玉露です。毎月異なる果実やハーブをブレンドし、その時々の美味しいものと掛け合わせた一杯をいただける特別感が魅力。取材時(7月)は「桃」でした。ほんのりと上品に香りますが、クセがなくすっきりとした味わいです。山本山の海苔が載せられているのも新鮮でした。玉露の旨みに、海苔の香ばしさが重なります。
最後はなんと、使われていたお茶の茶葉をお箸でいただきます。初めての経験なので少し緊張しながら口に運びましたが、ゆっくりと時間をかけて開いた茶葉は、ふかふかで苦みがなく、想像以上の美味しさ。ぽん酢と合わせて、おひたしのようにいただきました。
玉露の魅力に浸れる一時間
「玉露 しふく」のコースでいただいたものを並べてみました。お茶や和菓子、最後の茶葉も含めると、満足度の高いラインナップ。1時間ほどかけてゆっくりといただきました。一煎一煎、丁寧に説明しながら淹れてくださるので、一人で訪れても楽しめそうだなと思います。
玉露 しふく 和菓子付き 3,300円(税込)
玉露 しふく 和菓子付き 3,300円(税込)
茶器の販売もあります
「自宅でもお茶を美味しく楽しみたい」という気持ちが湧いてきたら、物販エリアの茶器コーナーも要チェック。お店でも使われている取手の無い急須「平宝瓶」なども販売されていました。
美味しさも雰囲気もまるごと楽しめる茶房
日本ならではの“美味しい”を堪能できる「山本山 ふじヱ茶房」。お茶や食事の美味しさはもちろんのこと、どこに目を向けてもこだわりが光る、洗練された空間の中で過ごす時間が至福でした。食事をしに行くだけでなく、一つの特別な“体験”として、心に残るひとときを過ごしたい日におすすめです。
山本山 ふじヱ茶房
東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング 1階
<営業時間>
物販 10:30~18:00
喫茶 11:00~17:30(L.O17:00)
持ち帰り弁当 受付11:00~18:00(L.O 17:00)
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