理想の住まいは?整理収納アドバイザーに聞く、持ち家と賃貸のメリット・デメリット

持ち家と賃貸のどちらが良いかは、ライフスタイルや家族構成の変化によっても変わります。また住まいに対しての価値観やどんな風に暮らしたいかによっても違ってくるでしょう。今回はコスト面というよりも、ライフスタイルからみたメリット・デメリットを、自分自身の家を建てて感じたことも合わせて考えてみました。
 伊藤美佳代

持ち家のメリット・デメリット

持ち家は立地はもちろん、戸建てまたはマンションにするか、注文住宅または建売、中古物件にするかなど幅広い選択肢から選ぶことになります。自分や家族にとって何を優先したら良いかを考えることで判断もしやすくなります。

メリット1:ライフスタイルに合わせた間取りの選択枠が多い

間取りや収納スペースは賃貸のほうがコンパクトなケースも多いですが、一方、間取りが決まっている建売の戸建てやマンションでも間取りのタイプが賃貸に比べて豊富だったり、収納スペースも充実しているなど、選べる枠が多いのは持ち家のメリットでしょう。ファミリー世帯や在宅ワークで個室が必要など、間取りにこだわりたい方にはメリットも大きいです。また、住みたい地域によっては同じ間取りの家賃相場より抑えられる場合も。

メリット2:ライフスタイルによって好きなようにできる

持ち家の最大のメリットは、注文住宅や中古でもリノベーション物件なら、ライフスタイルに合わせ希望の間取りにすることができます。例えば、「洗う・干す・畳む」の洗濯動線を一か所でまとめられるように洗面スペースを広く取ったり、最近は家事動線を使い勝手よくする間取りを取り入れる方も多くなっています。また、住んでからも棚を設置したり壁の色を変えたり、DIYなどで自分好みに家の中を変えていける自由度も持ち家のほうが大きいです。
そして、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住宅設備や間取りをリフォーム・リノベーションをしたり、家も変化させながら長い目で家づくりを楽しめるのも持ち家ならではのメリットではないかと思います。

デメリット1:メンテナンスはすべて自分、費用も必要

長く住めば経年劣化で住宅設備などは定期的なメンテナンスが必要になります。ベランダの防水や外壁などは大きなメンテナンス費用もかかることなどを想定しながら、計画的な準備も大切になるでしょう。

デメリット2:モノが増えやすい(定期的な整理が必要)

長い間住んでいると整理をしなければ、必ずモノは増えます。ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて定期的な整理も必要です。どの部屋で何をするのか、何を使うのかといった行動パターン・持ち物の把握や、使う場所の近くに収納するといった動線など、住み始める段階で収納計画もしておきます。そうすると定期的な整理もしやすくなります。

デメリット3:ライフスタイルの変化に合わせて住み替えがしにくい

ライフスタイルの変化に合わせた住み替えは難しいかもしれません。購入時に将来のライフプランもイメージして、部屋の使い方の変化もイメージしておくとよいでしょう。また、売りやすい、貸しやすいなどを念頭に検討するのも良いですが、地域差も大きいかもしれません。

賃貸のメリット・デメリット

次に賃貸のメリット・デメリットを見ていきます。

メリット1:住まいではなく、違う部分にお金をかけられる

家に対する思いは人によって様々です。趣味の幅が広い場合など、家より違う部分にお金をかけたい方には、メンテナンスの負担も少ない賃貸もおすすめです。

メリット2:ライフスタイルに合わせて、住み替えやモノの見直しもしやすい

家が古くなった、家族構成が変わったからなど、ライフスタイルに合わせながら住み替えしやすいのは賃貸の大きなメリット。また、引越しの度に持ち物を見直せるので、持ち家で長く住んでいるよりモノの増えすぎも抑えられます。

デメリット1:家の中を自由にできない、制限がある

賃貸は希望に近い間取りを選ぶことができても、間取りや設備の変更などは基本的にできません。住んでからも壁に穴を開けられないなど、DIYを楽しむ場合にも制限があるのもデメリットではないでしょうか。

デメリット2:ペットとの暮らしができない、制限も多い

最近は賃貸でもペット可の物件が増えたとはいえ、まだまだペット不可の物件は多いようです。また、ペットの種類や頭数に制限を設けていることも多く、ペットとの暮らしをあきらめていることも多いようです。

我が家が持ち家を選んだ際のポイント

最後に、我が家が持ち家を選んだポイントは
・実家の建替えによる二世帯住宅の新築だった
・子供の頃から住み慣れた場所で周りの環境もわかっているため安心だった
・猫が楽しめる家づくりが自由にできた
・この先ライフスタイルの変化も少ないことがイメージでき、この場所なら長く居たいと思えた

住み慣れた場所や、ここに住みたいという場所があれば、長く楽しめるように自分流に家づくりができる持ち家も良いと思います。逆に、環境を気軽に変えながら住みたい、これからまだ暮らし方が変わる予定があるなら賃貸に住むという選択もよいでしょう。

ここ数年で住まい方や働き方の意識も変わり、在宅ワークの広がりで、生活拠点の考え方も変わりました。趣味や住みたい場所に合わせて、身軽に賃貸に住むのか、持ち家で自分の暮らしに合わせた家づくりを楽しむのか、自分に合った暮らし方を考えることが心地よい暮らしにつながると思います。

photo / 伊藤美佳代

ハウスキーピング協会
整理収納アドバイザー2級認定講師
住宅収納スペシャリスト認定講師
インテリアコーディネーター

instagram @ito_mikayo
ブログ「笑顔あふれる住まいづくり」

http://mikayo-ito.jugem.jp

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