沖縄本土から日帰りで“神聖なる島”へ。東の海に浮かぶニライカナイに一番近い久高島
大小160の島々、そのうち有人の島は48あるといわれる沖縄。宮古島や石垣島といった人気の島々とはまた違った魅力を持つ“聖なる島”へショートトリップしてみませんか? 台風の影響が少なくなるこれからの時期、沖縄ならではのマリンスポーツやリラクゼーション、グルメに定番の観光スポットなどの楽しみ方とは異なる、その土地の歴史や文化を感じるちょっとディープな旅に。
- 2016.10.7
- 旅行・お出かけ
“神聖なる島”や“神の島”と呼ばれる久高島とは?
沖縄本島南部の南城市、その東の沖合にある周囲8kmの久高島(くだかじま)。人口270人ほどの小さな島で南城市にある世界遺産の斎場御嶽(せーふぁうたき)から見える東の海に死後の世界「ニライカナイ」があると考えられ、その目の前に見える久高島はその場所に一番近い“神聖な島”といわれています。
沖縄本島から路線バスと高速船を乗り継いで
ゆいレール旭橋駅前の那覇バスターミナルから志喜屋行きのバスに乗ること約1時間。知念安座真サンサンビーチ入口で下車し、歩いて久高島行きフェリー乗り場へ。久高島にはフェリーと高速船あわせて往復6便が運行しています。本島から約5kmほどの距離を高速船に乗って約15分、久高島の南側にある徳仁港に到着。
琉球王朝時代から神事がとり行われてきた琉球の聖地として、日本最後の聖域、伝説の島、日本一のパワースポット、神の島などとも呼ばれている久高島。そんな琉球の創造神・アマミキヨ(アマミヤ)が降り立ち島を創ったとされる沖縄の中でも神聖なる島にいよいよ上陸です。
琉球王朝時代から神事がとり行われてきた琉球の聖地として、日本最後の聖域、伝説の島、日本一のパワースポット、神の島などとも呼ばれている久高島。そんな琉球の創造神・アマミキヨ(アマミヤ)が降り立ち島を創ったとされる沖縄の中でも神聖なる島にいよいよ上陸です。
土地は誰のものでもない聖域として守られてきた島
“土地は神様からお借りしているもの”島全体が神聖な土地として私有地はなく、誰のものでもない聖域として守られてきたといいます。島内にはコンビニや娯楽施設はもちろん、バスやタクシーといった交通機関もありません。島を巡るにはレンタサイクルがおすすめ。港の近くの久高船待合所や食事処で自転車を貸し出しています。
島は南部に港や集落があり、島民の生活圏。一方、島半分の北側はほとんどが畑と森林で被われ、お祭りの日にはカミンチュ(神人)以外は行くことができないエリアとなっています。
さっそくレンタサイクルを借りて、島で最北端のカベール岬(はびゃーん)を目指します。ゆっくりとペダルをこぎながら、のらりくらり進むこと30分。人類発祥の地といわれる伝説の岬カベールに到着。目の前には穏やかな海原が広がります。
島のつつがない暮らしに敬意の気持ちを持って
島を取り囲むように広がる白砂のビーチはほとんどが遊泳禁止。もちろん泳げる場所もありますが、島内では草や浜の石一つも持ち出してはならないのだそう。
中でも島の中央部にある「フボーウタキ(御嶽)」は琉球の創世神アマミキヨがつくったとされる七大御嶽の一つ。神職に携わる女性しか立ち入ることができない久高島の中でも最高の聖域なのだとか。入口にある看板によると奥には円形広場があります。
島を巡っていると、要所で手作りの看板を目にします。それらはすべて神事が行われる際に自然と神と先祖を敬うかけがえのない場所であることを示しています。
島を巡っていると、要所で手作りの看板を目にします。それらはすべて神事が行われる際に自然と神と先祖を敬うかけがえのない場所であることを示しています。
島の西側にあるヤグルカーには漁港を眼下に臨む“しあわせベンチ”というものがあり、そこで地元のおじいやおばあが談笑していました。ほのぼのとした島の日常にちょっとおじゃました気分。
島巡りの後は、ふたたび徳仁港近くに戻って食事処「レストランとくじん」でランチタイム。島でとれたタコや野菜などの小鉢が付いた久高島特産の海ブドウ丼定食に、追加で沖縄そばをオーダー。
隣りの久高船待合所では、かわいらしいパッケージが目を引く、久高島で育ったにんにくの黒糖と酢漬け、島らっきょうの甘酢漬け、せんばい豆などの特産品を販売しています。島のおみやげにもおすすめ。
帰りのフェリーが到着した頃、久高船待合所のお母さんが「近くに宿泊施設もあるから、今度は泊まりで遊びにおいで」とひと言。
沖縄の中でも観光地化されていない久高島には、昔から島民が大切に守ってきた伝統や文化があり、かけがえのない自然が残されています。そんな島の魅力を日帰りでも垣間みることができますが、島内には民宿や宿泊交流館といった宿泊施設があるので、時間に余裕のある方はぜひ泊まりでじっくり訪れてみてはいかがでしょう。昔からある本来の沖縄の姿を体感できますよ。
沖縄の中でも観光地化されていない久高島には、昔から島民が大切に守ってきた伝統や文化があり、かけがえのない自然が残されています。そんな島の魅力を日帰りでも垣間みることができますが、島内には民宿や宿泊交流館といった宿泊施設があるので、時間に余裕のある方はぜひ泊まりでじっくり訪れてみてはいかがでしょう。昔からある本来の沖縄の姿を体感できますよ。
photo / 渡邊 孝明
<久高島へのアクセス>
久高島行きフェリー乗り場までは、ゆいレール旭橋駅前の那覇バスターミナル10番乗り場38番から志喜屋行のバスで約1時間、安座真サンサンビーチバス停を下車し徒歩5分。久高島行きフェリー乗り場から高速船に乗り約15分で久高島の徳仁港に到着(フェリーと高速船あわせて一日往復6便が運行。時期により運行本数や時間に変更あり)
久高運海(フェリー)
http://kudakakaiun.web.fc2.com/
「NPO法人久高島振興会」(レストランとくじん・久高島待合所)
http://www.kudakajima.jp/
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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