“日常のおいしさ”が詰まったレシピ本。小川奈々さんの『私の星付きビストロレシピ』

手軽に作れるカジュアル・フレンチのレシピ本を見つけました。著者は、人気の料理教室「アトリエ・ルー・グルーズ」を主宰する小川奈々さん。おいしくて見た目にもおしゃれなレシピが満載で、持ち寄りパーティーのときにも活躍しそうですよ。
 酒井 牧子

身近な食材で手軽に作れる料理がたくさん！

黒をベースにしたシックな表紙を開くと、前菜、メイン、デザートのレシピが53品。ぱらぱらとページをめくっただけで、思わず手が止まる写真がたくさん載っています。
フレンチというと、材料が手に入りにくそうだったり調理工程が難しそうだったりという印象がありますが、『私の星付きビストロレシピ』には、身近な食材で手軽に作れるものがたくさん載っています。
たとえば、にんじんとフレッシュのオレンジを和えた前菜、「キャロット・ラペ」。私が、お店のメニューにあると必ずオーダーする一品なのですが、これまで作ったことはなし。レシピ本を参考に作ってみたら、とっても簡単でお店の味に仕上がりましたよ。

著者は、フランスで料理修行を積んだ小川奈々さん。

レシピの数々は、著者の小川さんがフランスで学んだ“星付き”の味ばかり。小川さんは、8年間にわたってフランスで料理修行を積んだ経験の持ち主なのです。
ル・コルドン・ブルー・パリ本校で学んだ後、実地研修としてフランス外務省の厨房で働いた経験もある実力者。一つ星レストランと二つ星レストランのあと、ビストロへ修行の場を移し“日常のおいしさ”に出合ったことで、料理人として進むべき道を決めました。
『私の星付きビストロレシピ』には、そんな“日常のおいしさ”が詰まっていて、初心者でも作りやすい工程や材料を中心に選ばれています。おもてなしにも、ふだんの食事にも、ワンランク上のお料理を作ってみたいという方にぴったりです。

フランスの暮らしが垣間見られるコラムも魅力。

『私の星付きビストロレシピ』には、レシピのほかにコラムのページがあり、こちらも魅力の一つになっています。修業時代の話や食材の買い付けをするマルシェ、おすすめの蚤の市……。小川さんが実際に使っているフランスの食器や雑貨なども載っていて、フランスの食文化を知ることができるコラムです。

小川さんは、身近に手に入る食材で、作っていて楽しくなるようなレシピを大切にしています。その想いは、自身が主宰するビストロ料理教室「アトリエ・ルー・グルーズ」のベースにもなっています。
教室は少人数制で、おしゃべりしながら3～4品の料理を作り、できあがったら、みんなでワインやお茶をいただきながら試食を楽しみます。「作る人もそれを食べる人も、みんなが笑顔に、お料理でハッピーになっていただければ幸いです」と、小川さん。
「自宅でフレンチを作ってみたい」という方はもちろん、「料理教室に興味あり」という方も、『私の星付きビストロレシピ』で小川さんの料理の魅力に触れてみてはいかがですか。

photo / 『パリの有名レストランを巡って辿りついた、私の星付きビストロレシピ』

『パリの有名レストランを巡って辿りついた、私の星付きビストロレシピ』
著者：小川奈々

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