自宅で簡単にチャレンジ。布・紙が甦る「コーヒー染め」のやり方やポイントを徹底解説

黄ばんでしまった白Tシャツや、小さなシミがついたハンカチ。捨てるのはもったいないけれど使えずいるなら、コーヒーで染めるのがおすすめ。家にあるものだけで布を染められる、簡単な染色「コーヒー染め」のやり方をご紹介します。
 Sheage編集部

身近にあるもので簡単に布を染める。「コーヒー染め」とは?

相変わらず続くコーヒーブーム。コーヒーが好きな人なら、自宅で豆を挽き、ペーパードリップなどで淹れて楽しむことも多いのではないでしょうか?
その際に出るコーヒーの粉の出がらし等を使って布や紙を染めるのが「コーヒー染め」です。化学染料を使用したり、自然素材を使った草木染めなどはハードルが高いと思う方にも、コーヒー染めなら家にある材料で、難しい手順もなく簡単にできるのでおすすめ。コーヒーの粉の出がらしはもちろん、インスタントコーヒーでも染めることができますよ。

布や紙が生まれ変わる。コーヒー染めにチャレンジ

コーヒー染めをすることで、白い布や紙を簡単に淡いブラウンに染めることができます。白い布の黄ばみやシミなどがわからなくなるどころか、風合いにヴィンテージ感が加わり、生まれ変わったような印象に。どんな感じかというと、たとえば白い紙にうっかりコーヒーをこぼしてしまったとき、乾くと何とも言えない雰囲気のある色合いになるのを目にしたことはありませんか?布や紙をコーヒー染めすると、アンティークな風合いに変化するのです。
また、白以外の布や紙も染めることができます。元の布や紙の色にもよりますが、こちらもアンティーク感や深みが増した印象になります。

■コーヒー染めに向いた素材

布なら、木綿素材の白地のものがおすすめ。たとえば、Tシャツや木綿のシャツ、ソックス、ハンカチ、キャンバス地のバッグなどがコーヒー染めには向いています。ポリエステル製は染まりにくいので要注意。
紙の場合は、ハガキやカード、タグやラベルなどをコーヒーで染めるとアンティーク感が増します。プレゼントなどに添えると喜ばれそうですね。
また、もともと黒い布などは変化がわかりにくいので避けてください。

コーヒー染めのポイントは?

色の濃さを調節するには

コーヒー染めは細かい色の調節が難しく、染めている時は濃く見えているのに乾くとかなり薄い…なんていうこともしばしば。濃いめに染めたい場合は、コーヒー液を濃く作ったり、染める時間を長くしたりしてみてください。出来上がりがそれでも薄いと感じる場合は、二度染め、三度染めして好みの色になるまで調整するのがおすすめです。

色ムラを防ぐには

せっかく時間をかけて染めたのに、色ムラが出来てしまってはもったいないですよね。色ムラが発生する主な原因は、下準備の段階でタンパク質がしっかり浸透していないから。後述の牛乳と水を混ぜたものにしっかりと浸し、時々液をかき混ぜながら、均一にタンパク質を浸透させるのがポイントです。

何が必要?コーヒー染めで準備しておくもの

「下準備」から「染め」、「色落ち止め」と、コーヒー染めは大きく3つの工程に分けられます。その作業毎に必要なものを以下にまとめてみました。

<下準備>

・牛乳もしくは豆乳
・水(牛乳と同量程度)
・染めるものが入る、大きめのボウルや桶

コーヒーの液で染める前に、布にコーヒーの染液がよく馴染むようにするのが下準備です。布に牛乳や豆乳のたんぱく質が付着することによって、コーヒーの色が浸透しやすくなります。
※紙を染める場合は、この工程は必要ありません。

<染め>

・コーヒーの粉の出がらし、もしくはインスタントコーヒー
・布をコーヒー液に入れて煮る鍋
・水

コーヒー染めの染料となるのは、基本はコーヒーの粉の出がらしです。日々コーヒーを淹れて飲む習慣がある方は利用するといいでしょう。より簡単に行いたい場合は、インスタントコーヒーを水に溶いてコーヒー液を作るのがおすすめです。

<色落ち止め>

・ミョウバンもしくは塩
・水
・下準備に使ったボウルや桶


以上がコーヒー染めに必要なものです。ミョウバン以外はどこの家にもあるもの。思い立ったらすぐに始められるコーヒー染めが、いかに手軽なものかがわかるのではないでしょうか。

コーヒー染め【初級編】~インスタントコーヒーを使う方法~

では、まず手軽にコーヒー染めができる、インスタントコーヒーを使う方法について説明します。
※紙を染める場合は、下準備は不要。(4)からスタートしてください。

コーヒー染め【初級編】の手順

  • 1まずは<下準備>から。染める物が入る大きな鍋あるいはボウルに、水と牛乳、あるいは豆乳を1:1の割合で入れて混ぜます。
  • 2(1)に染める物を入れて全体が浸かるようにして、1時間ほど放置します。この時、ムラにならないよう時々液をかき混ぜましょう。
  • 3 1時間たったら染める物を取り出してギュッと絞り、陰干しします。
  • 4(3)が完全に乾いたら、次は<染め>の工程です。鍋にお湯を沸かし、2リットルのお湯に対して、インスタントコーヒー大さじ3ぐらいの割合で入れて溶かします。沸いたコーヒー液に染める物を入れ、菜箸などでかき混ぜながら、布に液を馴染ませていきます。液が沸騰しないように火加減を見ながら、布が好みの色合いになるまで10分ほど待ったのち、火を止めます。
  • 5次は<色落ち止め>の作業。塩を使うかミョウバンを使うかによって手順は変わります。
    ・塩を使う場合
     火を止めた後の鍋に、塩を入れて溶かし、30分~1時間放置します。
    ・ミョウバンを使う場合
     火を止めたら染めた物を取り出し、水にミョウバンを溶かした液に漬け込み、30分~1時間置きます。
  • 6色止めをしたら水ですすぎ、乾かしたら完成です。

コーヒー染め【中級編】~コーヒーの粉の出がらしを使う方法~

コーヒー豆を挽いた粉の出がらしを使う場合も、インスタントコーヒーを使う場合と基本の手順は変わりません。違うのは、コーヒー液の作り方です。鍋に出がらしと水を入れて火にかけ、30分程度煮出すのですが、この水と粉の割合は、染め上がりの色の濃さをどのぐらいにしたいかによります。まず、粉500gに水を2.5リットル程度の割合でコーヒー液を作ってみて、薄いと思ったら粉を足し、濃いと思ったら少なくするなど、好みに応じて調整するといいでしょう。

コーヒー液ができたら、キッチンペーパーを引いたザルなどで粉をこし、その液に染めるものを漬け込みます。
それからの色落ち止めのやり方は、上でご紹介したインスタントコーヒーを使った場合と同様です。

コーヒ染め【応用編】~絞り染めで模様をつける~

布の一部をつまんで麻などの紐で縛り、染液に付けて染めることによって模様を作り出すのが絞り染めです。コーヒー染めでも、絞り染めで模様を付けることができます。
ハンカチやTシャツで試すのがおすすめ!オリジナルの柄を楽しめます。
紐で縛った部分にコーヒーの色が入らず元の色のままで残るので、どのような模様を付けたいかを考えながら、いろいろ試してみると楽しそうです。
いろいろな箇所をただつまんで縛るほか、折ったり畳んだりして縛ってみるなど、模様の作り方はいろいろ。自分ならではの模様の作り方を工夫してみてはくださいね。

布や紙をアンティークな風合いに変えるコーヒー染め

以上、コーヒー染めの概要をご紹介しました。思ったより簡単で、自分でもできそうと思った方も多いのでは?身の回りにあるもので手軽に始められるうえ、手順も簡単。化学薬品などを使わず自然なもので染めるので安心ですし、ナチュラルな風合いを楽しめて良いことづくめです。
Tシャツや綿のブラウスなどを染めたら、ハンカチや布製のバッグも同じ色合いに染めてみるなどすると、全身を同じトーンでコーディネートできて、オリジナリティあふれるおしゃれをより楽しめそう。

コーヒー染めは、上でご紹介した布や紙のほか、木も染めることができます。お部屋にある木製の小物やボックスなど、ちょっと飽きちゃったなと思う物があったら、コーヒー染めで生まれ変わらせてみてはいかがですか?こちらもやり方は簡単です。コーヒー液を作って、筆や刷毛を使って表面に塗るだけ。布と違って色落ち止めの必要もありません。
ファッションからインテリアまで、さまざまなものを生まれ変わらせるコーヒー染めをぜひ試してみませんか?

photo / Shutterstock

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