「朗読教室ウツクシキ」主宰の岡安さんに聞いた4つの質問。心をリフレッシュできる朗読とは?

月に1~2回のペースで開催しているレッスンは女性を中心にいつも満席。参加者からは「忙しい日常から解き放たれて、素の自分と向き合うことができた」といった声もあがる「朗読教室ウツクシキ」。その魅力に迫ります。
 渡邊 孝明

「朗読教室ウツクシキ」とは

「朗読教室ウツクシキ」は、都内の3ヵ所で定期的に朗読教室を開催しています。一回の所要時間は2時間。その日集まった方々の自己紹介からはじまり、呼吸と発声練習を行います。朗読家であり、「朗読教室ウツクシキ」主宰の岡安圭子さんが下読みをした後、長いテキストを割り振り、一人ずつ順番に朗読。その後は一つの読み物をみんなで順番に朗読をしていきます。その日の最後はみんなの朗読を録音。朗読した後に録音したものを聴きながら、お茶を飲み語らいます。
素の自分と向き合い、心のリフレッシュができるという朗読の魅力や楽しみ方について、岡安さんに、4つの質問をしてみました。

朗読する作品の選び方は?

「朗読で扱う読み物は、ご参加いただいた方の雰囲気や最近考えてらっしゃることから選びます。それから、季節や温度、その時期の植物などを参考に考えます。教室で生徒さんが何度も読み、耳にするものなので、なるべく前向きな言葉が散らばっているもの、それから悲しい場面でも言葉の美しいもの、音の響きが綺麗なものにしています。そうやって、耳から体に取り入れる言葉の力が、心を浄化していくのではないかと思います」

「その日読むテキストは教室にいらしてからお渡しします。そのため事前の練習などはできません。ご自宅で楽しまれても良いのですが、できれば『人前で』読み、『人と語らいながら』何かに気づいたり、感じたりされることをもっとも大切にしています。その日行ってみないと何を読むか、誰が来るかわからない。偶然の出来事が重なり、それが変化していく過程を面白がっていただけたら良いですね」

朗読する際に心がけていることは?

「下を向いている方には顔を上げるように、それから文と文のあいだにある『間(ま)』をすごく意識するようにお伝えしています。それらはきっと、日常の会話における『間』の作り方につながり、その人の雰囲気を柔らかくしてくれます。反対に、発音についてはほとんど指導しません。その人が持つ発音は生まれ育った土地の記憶やご両親、先祖とのつながりであり、大切にすべきものだと思います」

朗読における効果とは?

「朗読の後に録音した音声を聴くようにしています。鏡で自分の姿を『視る』時、大抵は取り繕った顔になってしまうのですが、声というのは装飾やごまかしが利きません。そうして、意図せず目の前に突きつけられた自分の姿(声)に、大抵の方は驚かれます。自分が思っている声と録音の声が違うというのは想定内ですが、それ以上に『話すスピード』と『間の短さ』が、想定していたものと違うことに気付かされる方が多くいらっしゃるのです。『もっとゆっくり話していると思っていた』、『もっと間を取れていると思っていたのに、せっかちな話し方だった』と。そうして、自分の姿を客観的に『聴く』ことはとても意味があると思います。また、自分の声で美しい言葉を聴くというのは、セラピー的な要素もあるのではないでしょうか」

朗読でわかることと魅力は?

「『自分の声が嫌いなんです』とおっしゃって参加された方が、レッスンが終わる頃には『もっとうまく読めたと思うんです』と言って、リピーターになられたこともあります(笑)。『リラクゼーションのような時間だった』『瞑想のようだった』『一緒に参加される方が優しくて穏やかな時間だった』『このテキストに出会えてよかった』などの感想もいただいています。朗読教室に参加される方は、文章や声を出すことへ関心があるのはもちろんですが、それを入り口に生き方や心のあり方、佇まいなどに目を向けられているのでしょう。文字を追う視覚だけではなく、耳で聞いたり口で話したりすることから、朗読という普段と違ったアプローチの仕方によってご自身それぞれが何か大事なものを発見されていくのだと思います。朗読についてではなく、人生相談のような質問もたまに受けます(笑)」

新しい自分の一面に出会う朗読

いかがでしたか?新しい自分の一面に出会うことができる朗読の魅力を感じていただけましたでしょうか。朗読教室ウツクシキは、主に都内にある茅場町の「MAREBITO(マレビト)」、東神田の「組む東京」、豊洲の教室の3会場で開催しています。

「『朗読』というのは、演技もせず、セリフも覚えず、楽器も持たずにただ人前で本を読むというシンプルな行為です。演技ができたら『上手だね』、文章を暗記したら『すごいね』、と言ってもらえますが、そういう要素が一切ないところで、人の心に刻む何かを残していかなくてはならない。アプローチの方法がよく分からない曖昧なものです」と岡安さん。

だからこそ、本を手にして人前に立った時、私たちを縛る日常の余計なものから解き放たれ、素の自分と向き合うことができて、生き方を考えるヒントにもなりえるのだそう。この機会にあなたも、朗読教室で自分の新たな一面と出会ってみてはいかがでしょうか。

photo / 朗読教室ウツクシキ

朗読教室ウツクシキ

期間:都内で場所を移動しながら月に1~2回のペースで開催
   詳細はブログ(http://www.okayasukeiko.com/)からメールにて予約申し込み
   
所要時間:2時間
料金:3000円(税込) テキスト、飲み物、録音データ付き
定員:各回5名


場所:組む 東京
住所:東京都千代田区東神田1-13-16
http://www.kumu-tokyo.jp/access/

場所:MAREBITO
住所:東京都中央区新川1-3-23 八重洲有和ビル2階
http://mare-bito.com/

※豊洲教室の詳細な場所はご予約時にご案内しています

http://utukusiki.com

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