どんな部屋もおしゃれに彩る。失敗しないカーテン選びの基礎知識

カーテンを変えるだけで、部屋の雰囲気や印象がガラリと変化。部屋をコーディネートする上で、カーテンはとても重要な存在ですが、デザイン、色、サイズなどが豊富でどんなものを選べばいいか悩みますよね。今回は、失敗しないカーテンの選び方をポイントごとに紹介します。
 宇井原 クリ子

ポイント① カーテンに求める「役割」を確認する

普段、何気なく使っているカーテンには主に以下の5つの役割があります。この中から、設置する場所に「絶対に必要な役割」と「必要ない役割」をチェックして、どんな素材がいいか、どんなデザインがいいかを絞り込んでいきましょう。

1. 「視線を遮る」
特に、窓が道路や建物に面しているときは防犯やプライバシーの保護に役立ちます。

2. 「調光・遮光」
室内の明るさを変えたり、光の反射を防いだりします。

3. 「断熱・省エネ」
日本の窓は断熱性が低いため「夏は外気の熱を室内に伝え、冬は室内の熱を外に逃がす」という弱点があるといわれています。カーテンで窓と部屋のあいだに空気の層をつくると室温が外気温に影響されにくくなり、クーラーや暖房器具の効果がアップ。節電にも繋がります。

4. 「防音」
ボリューミーなカーテンは室内外の音を吸収するため防音効果を得られます。

5. 「雰囲気づくり」
部屋の印象をコントロールするだけでなく、気持ちをリラックスさせたり元気にしたりする効果も。

ポイント② デザインよりも窓の「採寸」が大事

デザイン先行でカーテンを購入して失敗した経験はありませんか?サイズが合わないカーテンは、見た目が悪いだけでなくカーテンとしての役割を十分に果たすことができません。購入後に後悔しないために、正しい採寸方法を覚えておきましょう。

横幅の測り方

◆カーテンレールが設置されている場合
(右端の固定ランナーから左端の固定ランナーまでの距離)×(1.03〜1.05)cm

※固定ランナーとはカーテレンールの両端にある動かないランナー(フックを引っ掛ける部分)を指します。

◆カーテンレールが設置されていない場合
(窓枠の内側の距離+10〜15)×(1.03〜1.05)cm

※たたみ代(カーテンを開けたときに溜まる部分)として10〜15cmをプラスします。

ジャストサイズよりも3〜5パーセントくらい余裕がある方が見栄えがよく隙間ができにくいという理由から「窓幅×1.03〜1.05」が理想的とされています。例えば、固定ランナーの幅が2mなら「200cm×(1.03〜1.05)=206〜210cm」のカーテン幅がベスト。カーテンを2枚に分けて左右に開くようにしたいときは、算出した数値を単純に等分してください。
ちなみに量販店などで販売されているカーテンの幅は、100、125もしくは130、150、200cmの4パターンが多いようです。

長さの測り方

◆掃き出し窓の場合
(固定ランナーの下端〜床までの距離)ー(1〜2)cm

※床にギリギリつかないぐらいの長さがベスト。短すぎると保温・遮熱効果などが下がりやすく、長すぎると床の埃やゴミが付きやすくなります。

◆腰窓の場合
(固定ランナーの下端〜窓枠の下端までの距離)+(10〜20)cm

※窓枠よりも長いほうが装飾的にも機能的にもベスト。ただし、意匠カーテンの場合は当てはまらないこともあります。

カーテンの丈感はとても大切。窓にカーテンレールが設置されていない場合は、カーテンを選ぶ際にどのように吊るかを決めましょう。長さに悩んだときは少し長めのものを購入し、丈を詰めたりアジャスター付きフックを使ったりして長さを微調整するのがおすすめ。
レースカーテンもつける場合は、算出した数値から1〜2cmを引いてカーテンよりもやや短くするとバランスよく見えますよ。

ポイント③ カーテンの「色」で部屋の雰囲気も気分も変わる

同じデザインでも色が違うと温かみを感じたり清々しく感じたり変化するもの。特に部屋の中で広い面積を占めるカーテンは、何の色を選ぶかで部屋の印象が大きく変化します。ここでは色の効果や印象の変化について紹介していきますので、カーテンの色選びに迷ったときの参考にしてください。

カラーセラピー

まずご紹介するのは「カラーセラピー」。「カラーセラピー」とは、色を使った心理療法のことで、色を身につけたり身近に置いたりすることで気持ちをコントロールできると考えられているものです。

・暖色(赤・オレンジ・黄色)/外交的、活発など
・寒色(青系)/冷静、集中など
・中間色(緑・紫)/ニュートラル、平和など
・無彩色(モノトーン)/内向的、自己確立など

カラーセラピーでは、色には、このような意味付けがあるとされています。気になるようでしたら、いろいろと調べてみてください。

風水

続いてご紹介するのは風水。気にされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。色に関しては、下記のように、各方位に適した色を置くことでよい運気が築けるとされています。

諸説ありますが、東は、パステルブルーを置くと勉強運・仕事運アップ、西は、パステルイエローや白を置くと金運が、南は、ベージュや黄緑置くと人気運・ビューティー運が、北は、オレンジやソフトピンクを置くと恋愛運が上がるなどといわれています。気になる方は専門の本やサイトを探してみてください。

目の錯覚

色には、下記のような錯視効果があるといわれています。どうしても解消したい部屋の悩みがある方は、取り入れてみると効果を感じられるかもしれませんよ。

・家具や床と同系色のカーテン/統一感を与える
・アクセントカラーのカーテン/視線をカーテンに集めて他の欠点をカバーする
・壁と同じ色のカーテン/すっきりとした印象を与える
・縦柄もしくは縦長のカーテン/天井を高く見せる
・床やラグよりも薄い色のカーテン/空間に広がりが生まれる
・下に向かって色が濃くなるグラデーションのカーテン/空間に奥行きを出す

ポイント④ 部屋に合う「スタイル」を見つける

一人暮らしサイズのコンパクトな部屋のカーテンは、オーガニックカラーが◎

オフホワイトやベージュ、オリーブなど、圧迫感がないナチュラルな色合いは、部屋の狭さをカバーしてくれます。
どうしても濃色や柄物のカーテンを選びたい場合は、左右開きスタイルなら、カーテンを開けている間、天井を高く見せ、その分空間を広く見せることができますよ。ただし、厚手素材やたっぷりギャザーのカーテンはボリュームが出やすいので注意です。

応接室の窓や玄関ホールの飾り窓のカーテンはちょっとドラマチックに

応接室の窓や玄関ホールの飾り窓は、左右のカーテンの上部を交差させるクロスオーバースタイルや、1枚布でドレープを効かせたフィッシュテールスワッグなど、装飾的なカーテンに挑戦しやすいスペース。ちょっとしたアレンジで非日常を演出してみては。

「人が集うリビングルーム」はリラックス&快適を意識

リビングルームは、家族や訪ねてきた人に「居心地が悪い」と思われないように気をつけたいところ。カーテンレールを隠すボックスやバランス(カーテンと同じ生地でつくられた装飾)を設置すると、シンプルなカーテンでも華やかに見え、落ち着いた空間づくりに繋がります。また、ボックスやバランスを設置すると遮光・断熱などの効果もアップしますよ。

健康をつかさどる寝室は、窓の方角に合わせたカーテン選びを

1日を気持ちよく過ごすために、すっきりと目覚められるカーテンを選びましょう。西、北向きの部屋なら光を通しやすい薄手のカーテン、東向きで朝日が強く差し込む部屋なら遮光性のあるカーテンが◎。色は、心と体を鎮めて寝つきを良くする青がおすすめです。

キッチンや脱衣所の窓のカーテンはできるだけコンパクトに

小窓やスリット窓など、人の出入りがなく生活動線の邪魔になりやすい窓は、コンパクトな印象のシェード、ブラインド、ロールスクリーンが最適。また、室内灯をつけたときにシルエットが透けるものは防犯のために避けたほうがよさそうです。

ポイント⑤ 「機能カーテン」で部屋の悩みを解決

量販店などで売られているカーテンのパッケージには、さまざまな機能マークが付いているものがあります。中には「本当にそんな機能があるの?」、「こんなにいっぱい機能が付いているの?」と驚くような製品も。どの機能もないよりあったほうが便利なものばかりです。機能の有無もカーテン選びの参考にしてください。


◆UVカット
肌だけでなく家具や床の日焼け防止にもおすすめ。

◆遮光
日光や外の明かりを遮断して室内を暗くするカーテン。1級〜3級があり、級数が高いほど遮光率が高くなります。

◆防音・遮音
音を吸収しやすい素材を使用。室内からの音漏れや外の音の侵入を抑えます。

◆遮熱
室内に入ってくる赤外線をカットして室温上昇を抑えます。

◆ミラー(遮像)
特殊な反射素材のレースを使用。夜間でも、外から室内の様子が見えにくくなります。

◆防炎
火がついても燃え上がりにくいカーテン。高さ31mを超える建物で設置が義務付けられています。

◆抗菌・防カビ・撥水
湿度が高い場所、免疫力が低い子どもやお年寄りの部屋におすすめ。

◆結露防止
湿気を吸収して窓の結露を抑えてくれます。

◆光触媒
光エネルギーを利用して、ニオイ、細菌、汚れなどを分解。

◆消臭
タバコやペットなど、ニオイが気になる部屋にピッタリ。

◆花粉キャッチ
空気中に浮遊する花粉やホコリを吸着して再飛散を防ぎます。

◆制電
静電気を防止して、ホコリの付着や冬場の「パチッ」とするのを抑えます。

◆形態安定
ドレープやプリーツが取れにくく、美しい状態が比較的長く続きます。

ポイント⑥ ファッション感覚で「コーディネート」

カーテンを買ったまま使う人も多いと思いますが、アイデア次第でいろいろなアレンジが楽しめます。季節や気分に合わせて自分なりにアレンジしてみてはいかが?

●ドレスアップ
カーテンの裾や縁などに「トリム」と呼ばれる専用のアクセサリーを縫い付けて華やかさをプラス。

●アクセサリー
単品で販売されているカラーのレースカーテンや様々なモチーフのカーテンタッセルを使うとエキゾチックな雰囲気に。

● オーナメント
カーテンの周囲にコットンボールライト、ガーランド、レースリボンなどを飾りつけるのもおすすめ。

●イベントグッズ
誕生日、お正月、ハロウィン、クリスマスなどはカーテンにも装飾を加えて、イベント気分を盛り上げてみては?

●カーテンを自作
お気に入りのファブリックを世界に1枚だけのカーテンにするのも素敵!
ただの布のように見えるけど、意外と奥が深いカーテン。購入する前に、機能、サイズ、色、シーンをしっかり確認して、できるだけ失敗を減らしましょう。迷ったときはオーガニックカラーのシンプルなカーテンがベスト。味気なく思えても、装飾品やアレンジを加えればおしゃれに仕上がりますよ。

photo / Shutterstock

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