部屋をおしゃれに見せながら気持ちを整える。照明器具の選び方とおすすめの設置方法

単に視界が良好になるというだけでなく、生活に安心や癒しをもたらす照明。快適な暮らしを維持するために、照明についてもう一度考えてみませんか。生活シーンにあわせてライトの色や照らし方を変えれば、おしゃれなで上質な空間が手に入るはずです。
 宇井原 クリ子

光の当たり方でお部屋の印象が一変。照明器具の種類を見てみよう

ひとことで照明といっても種類やスタイルは様々。手元を明るくできるもの、部屋全体を照らすものなど、それぞれの特徴を知ることが照明選びで失敗しないコツです。ここでは、「ペンダントライト」「シャンデリア」「ブラケットライト」「フロアライト」「テーブルライト」「シーリングライト」の6種類の照明器具について、光の当たり方や取り付け・交換しやすさなどをご紹介します。あなたにぴったりな照明器具を探してみてください。

テーブルの上を照らしたいなら「ペンダントライト」

まずご紹介するのは「ペンダントライト」。チェーンやコードで天井から吊り下げるタイプの照明器具です。テーブルやカウンターなど台の上を照らしたいときによく使用されています。シェード部分のデザインや素材、大きさによっては高額なものも。ダイニングなど、台の上をしっかり照らしたい場所におすすめです。

〈ペンダントライトの特徴〉
・ライトの下をしっかりと照らす
・デザインが豊富
・照明器具の高さによって光の印象を調節することも可能

〈主な操作〉
・壁付けスイッチもしくはプルスイッチ(引っ張り操作のスイッチ)

〈取り付け〉
・引掛シーリング(照明器具用の電源ソケット)が天井についていれば簡単に設置可能。ただしレールに取り付けるタイプのペンダントライトはレールを設置する必要あり

〈交換〉
・蛍光灯もしくは電球を使用。簡単に交換できるが高所の場合は注意が必要

いくつもの光を放つ『シャンデリア』

こちらは「シャンデリア」。豪華な照明器具という印象を持たれる方も多いかもしれませんが、シャンデリアとは、複数の灯具からなる吊り下げタイプの照明器具のこと。ガラスの装飾が施された豪華なものだけでなく、無骨なデザインものも存在し、価格も様々。また、引掛シーリングを使わず、天井に直接取り付けるタイプも。存在感があるため、シャンデリア一つでお部屋の雰囲気をガラッと変えることができますよ。

〈シャンデリアの特徴〉
・圧倒的な存在感でインテリアの主役になる
・デザインによっては360°照らすことも可能

〈主な操作〉
・壁付けスイッチ

〈取り付け〉
・引掛シーリングが天井についていれば簡単に設置可能。ついていない場合は電気工事が必要

〈交換〉
・多くの電球を使用するためやや面倒

空間をクラスアップさせる『ブラケットライト』

「ブラケットライト」とは、ホテルのお部屋などでよく見かける、壁面に取り付ける照明器具。光を壁や柱に当てて意図的に明暗をつくる『間接照明』として使用できます。賃貸住宅では新たに設置しにくいため、憧れの存在。

〈ブラケットライトの特徴〉
・眩しすぎない光でやさしく照らす
・あたたかい雰囲気を演出

〈主な操作〉
・壁付けスイッチもしくはプルスイッチ

〈取り付け〉
・壁に引掛シーリングがない場合は電気工事が必要
・コンセント式であれば壁に穴を開けるだけで設置可能

〈交換〉
・デザインによって電球交換に工具が必要

住む人のセンスが光る『フロアライト』

「フロアライト」は、床などに置いて使用するスタンドタイプの照明器具。コンセントとスペースさえあれば家中どこにでも設置できるため、インテリア初心者にも人気のアイテムです。価格はさまざまですが、中には驚くほど高額なものも!

〈フロアライトの特徴〉
・用途にあわせて好きなスタイルで設置できる
・デザインや大きさなど種類が豊富
・インテリアのアクセントになる
・置く場所を変えることで光の当たり方を調整できる

〈主な操作〉
・本体のスイッチ

〈設置〉
・コンセント必須

〈交換〉
・電球交換は簡単

明かりをちょい足しする『テーブルライト』

「テーブルライト」は、名前の通りテーブルの上に置けるほどコンパクトな照明器具。卓上に置いて手元を明るくする、床に置いて足元灯にする、壁を照らして間接照明にするなど、デザインとアイデア次第で様々な使い方ができますよ。

〈テーブルライトの特徴〉
・コンパクトな上に、コンセント式・電池式・充電式などがあるので置く場所を選ばない
・デザインが豊富
・置く場所を変えることで光の当たり方を調整できる

〈主な操作〉
・本体のスイッチ

〈設置〉
・コンセント式、電池式、充電式などがあり、さまざまな場所に設置できる

〈交換〉
・電球交換がとても簡単(電池式は交換不可の場合も)

部屋全体を明るくする『シーリングライト』

「シーリングライト」は、天井に直接取り付けるタイプの照明器具。すっきりとした薄型デザインが主流で、高い位置から室内全体を照らすことが可能。大きさの割にリーズナブルなため、日本国内の住居や事務所で広く使用されています。

〈シーリングライトの特徴〉
・部屋全体に光がしっかりと届き、影ができにくい
・シンプルなデザインが多く、どんなインテリアにも馴染みやすい

〈主な操作〉
・リモコンや壁付きスイッチ

〈取り付け〉
・引掛シーリング(照明器具用の電源ソケット)が天井についていれば簡単に設置可能。ついていない場合は電気工事が必要

〈交換〉
・高所のため交換には注意が必要

ライトの色や強さで過ごしやすさが変化。電球を選ぶ際のポイント

ここまで照明器具について説明しましたが、続いては、照明・ライトの選び方においてもう一つのポイントとなる「電球」についてみていきましょう。電球の光の強さや色は意外にお部屋の雰囲気や過ごしやすさに影響を与えています。
また、電球を買いに行っても、サイズ、形、色、ワット数など、あまりの多さにどれを買えばいいか迷うことはありませんか?ここでは、表示の読み方や明るさの違いなど、基本情報をおさらい。照明器具か古い電球を確認してから新しいものを買いに行きましょう。

取り付けられる電球のサイズ・ワット数を知る

まずは、電球に関する用語や表示の読み方について確認しましょう。電球に書いてある「E」「V」「W」、照明器具に書いてある「V/W」について知っておきましょう。

①「E」は口金(くちがね)のサイズ

電球の根本などに書いてある「E11」「E17」などの表記は、ネジのようになった金属の部分、「口金」に関する表記。口金は、照明器具と噛み合って、しっかり固定すると同時に電気を電球に送る役割があります。照明に間違ったサイズの電球を取り付けると、電球が壊れたりブレーカーが飛んだりすることがあるのでとても危険!必ず正しいサイズの電球を取り付けましょう。

◆口金の種類
日本国内で主に使用されているサイズは、E11、E17、E26の3つ。すべて直径の大きさによってサイズ分けされており、E11なら直径11mmという意味になります。(ちなみにこの『E』はトーマス・エジソンの『E』なのだそう)。
外国製の照明器具やシャンデリアなどに使用されている特殊サイズの電球は、大型の電気量販店などで購入できます。

◆電球のサイズを確認する方法
・電球の根元、トップ、口金のいずれかに印刷もしくは刻印されている文字を確認する
・照明器具の説明書、注意書きシールなどを確認する
・定規やノギスで口金の直径を測る(ネジの溝ではなく出っ張っている部分で計測)

②「V」「W」「V/W」は、ボルト数やワット数

電球をよく見ると「◯◯V□□︎W」と書かれています。また、照明器具には「V/W」という記載を見つけることができます。この数値、少しややこしいので簡単におさらいしましょう。

◆V=ボルト数
Vは電圧を示します。一般家庭向けに販売されている電球は100Vもしくは110Vのものがほとんどで、どちらでも問題なく使用できます。2種類のボルト数の電球が日本で多く流通しているのは、日本は基本的に100Vの電気が供給されていますが、一部の110Vで供給されている地域があるため。ボルト数が違う電球をつけると電球の寿命が短くなることもあるようなので、気になる方は住んでいる地域のボルト数を確認することをおすすめします。

◆W=ワット数
Wは消費電力を示します。15ワットの場合は「15W」と書かれていますが、電球よっては「15W形」もしくは「15形」と書かれている場合も。これらは15ワット相当(15W以下の消費電力で15Wと同等の明るさになる)という意味になります。
※LED電球はワット数に相当するlm(ルーメン)値が使用されます。商品のパッケージに「◯◯lm(□□W相当)」と表示されているので見落とさないように気をつけてください。
※電球型蛍光灯など一部の商品は、電球本体に「◯◯V□□︎W」と表示していないものがあります。

◆照明器具のV/W
照明器具に書いてある「V/W」は、指定容量を示します。110V/40Wと表示されている場合は、110ボルト以下+40ワット以下の電球が使えるという意味。これを超える電球は破損や火災の原因になるので絶対に使用しないでください。

お部屋のシーンにぴったりな電球を選ぶポイント

お部屋に取り付けられる電球のサイズやボルト数・ワット数が分かったら、次はいよいよ、そのお部屋でのあなたの過ごし方にあった電球探しです。電球の種類別の色や寿命を確認しましょう。

③「光色」や「寿命」が違う!電球の種類を選ぶ

電球は大きく3つに分けることができます。それぞれ詳しく見てみましょう。

◆白熱電球
温かみのある光色が特徴。一部のメーカーは生産を終了しているが、いまだに根強い人気を誇る。昔ながらの「ボール球」をはじめ、室内照明に用いられる「レフ球」、「クリプトン球」、「シャンデリア球」などさまざまな形がある。電球の寿命が短いため、交換しづらい場所には不向き。

◆蛍光灯
部屋全体を明るくするはっきりとした光色が特徴。棒状や丸型の一般的な蛍光灯の他、ソフトクリームのような形状の「コンパクト蛍光灯」や白熱電球のように使用できる「電球型蛍光灯」も。オンオフを繰り返すことで電球の寿命が短くなるので、こまめに点けたり消したりする場所には不向き。

◆LED電球
発光ダイオードを使った電球。10年間取り替え不要とも言われるほどコストパフォーマンスがよく、温室効果ガスの排出が少ないため白熱電球からの切り替えが勧められている。光にならなかったエネルギーが熱となって放出されるので、熱がこもる場所には不向き。

電球を使い分けることで様々な負担を減らせます。以下のチャートも参考にしてください。

④明るさと色をチェックする

電球を変えただけで食事が美味しそうに見えたりリラックスできたり、そんな経験はありませんか?それは、電球の明るさや色によって空間の雰囲気が大きく変化するから。以前の電球が過ごしやすい場合は同じものを、過ごしづらい場合はより理想に近いものを選んでください。

◆明るさについて
ワット数(=消費電力)に比例して、明るさや電気代が増減します。暗くしたい場合はワット数が小さいものを、明るくしたい場合は大きいものを選びましょう。白熱電球では明るさが足りない!電気代が気になる!という場合は、少ない消費電力で明るさを維持できるLED電球や電球型蛍光灯をおすすめします。

◆色について
蛍光灯とLED電球は色を選ぶことができます。「昼白色」「昼光色」「電球色」の3種類あるので、好みの色味を選びましょう。
・昼白色/部屋全体を明るく照らす自然な白い光
・昼光色/勉強や作業を行う場所に最適なやや青みがかった光
・電球色/リラックス気分を高めるオレンジっぽい光

照明×電球の組み合わせ方をシーン別におすすめ!

今回紹介した照明器具と電球の特性を活かし、機能的かつおしゃれな空間を演出してはいかが?最後に、各シーンに最適な組み合わせをまとめて紹介します。

リビングルームには「シーリングライト×LED電球(電球色)」がおすすめ

家族や友人が集まるリビングは、どこにいてもお互いの顔が見えるようシーリングライトでしっかりと明かりを確保。そこに間接照明で明暗(ニュアンス)を加えるとおしゃれなムードが高まります。また、リビングのシーリングライトは電球交換がやや面倒なので寿命の長いLED電球がぴったり!あたたかみのある電球色でくつろげる雰囲気をつくってください。

ダイニングルームには「ペンダントライト×白熱電球」がおすすめ

ペンダントライトでダイニングテーブルの上に『あかりだまり』を作るとおしゃれなレストランのような雰囲気に。『あかりだまり』の効果で自然と意識がテーブルに集中するため、みんなで食事を楽しむことができます。料理をより美味しくみせるには、自然な色で赤みを引き立てる白熱電球(もしくは電球色のLED電球)がおすすめです。

トイレ・洗面所には「ブラケットライト×LED電球(昼白色)」がおすすめ

下向きのブラケットライトを高い位置に設置するか、小さめのシーリングライトが最適。また、頻繁に出入りする場所なので、すぐに点灯して省エネ性にも優れたLED電球がおすすめです。昼白色の光なら毎日の健康状態をしっかりチェックできます。

寝室には「ブラケットライト&テーブルライト×白熱電球」がおすすめ

ベッドルームは疲れた心とカラダを休める場所。スムーズに眠りにつくためにも、強い光が目に入らないよう気をつけましょう。ポイントは穏やかな光の間接照明を設置すること。トイレに行くことが多い人は、一晩中点けっぱなしにできるLED電球の足元灯を置くと良いかもしれません。

内玄関・廊下には「シーリングライト×LED電球(電球色)」がおすすめ

家に入った瞬間ほっとするようなやさしい光が最適。ピンポイントで光を当てると顔に影ができたり家の中が暗く見えたりしてしまうので、玄関先から奥までしっかりと照らせるシーリングライトがおすすめです。照明をつけっぱなしにしている場合は電球色の蛍光灯でもOK。

書斎・勉強部屋には「テーブルライト×蛍光灯(昼光色)」がおすすめ

手元の明るさを保ちつつ、目に負担をかけない組み合わせ。昼光色には集中力を高める効果も。

キッチンには「ペンダントライト×LED電球(昼白色)」

手元を明るく照らす組み合わせ。料理の状態を確認するためには自然な光の昼白色が最適。
家中、どこにでもある照明器具。そのひとつひとつにこだわることで暮らしやすい環境へ導くことができます。この機会に、ご自宅の照明について見直してみてはいかがですか。

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