装いに自然の息吹を。山で見つけた植物をモチーフにしたアクセサリー「IN THE FOREST」

いつかどこかで出合ったようなカタチの数々。「IN THE FOREST」は、山で見つけた植物をモチーフにしたアクセサリーシリーズです。つくり手は、宮田有理さん。山道を歩く度に体感する新鮮な驚きと感動をアクセサリーという形で表現しています。
 酒井 牧子

登山で出合う小さな植物たちに魅力を感じて

ひとひらの植物が美しいまま姿を変えたようなアクセサリーは、宮田有理さんのブランド「YURI MIYATA」が展開しているシリーズです。宮田さんが植物をモチーフにし始めたきっかけは、登山で自然の中を歩くようになったことから。6年前に初めて富士山に登って以来、ほかの山へも足を運ぶようになったのだとか。
「山のあちらこちらに可愛らしい小さな植物が生えていることに気付き、それらを身近に感じられるものにしたいと思い、アクセサリーの制作を始めました」(宮田さん)。

シンプルでありながら“らしさ”を感じるデザイン

IN THE FORESTには、ブローチとピアス、イヤリングがそろっています。たとえばブローチを胸元にプラスするだけで、シンプルなコーディネートがぐっと個性的に。洋服だけでなく、バッグや帽子などに付けてもとても素敵です。

宮田さんは、大学でセラミックデザインを学んだのち、洋食器の会社で形状デザイナーとして勤務していた経験の持ち主です。独立してからは、真鍮やシルバーなどの素材を用いて、金属に細工を施す「金工」という技法でアクセサリーをつくり続けています。

IN THE FORESTは、山に生える植物のフォルムをそのまま再現するものではありません。「どの要素が植物のそれらしさを感じさせる部分なのかを意識しながら、なるべくシンプルでいて、綺麗なラインを描くような形を心掛けています」(宮田さん)。

たとえば、丸く白い花を付ける多年草「フタリシズカ」をモチーフにしたブローチは、真鍮の軸に白い樹脂で花を咲かせています。
金工という技法で手づくりしていることもあり、少しのカーブや厚み、艶などが異なると印象がまったく違うものになることも。そのため、微調整を繰り返しながらていねいに制作しています。

普遍的なフォルムと潔いデザインを目指して

植物の持つフォルムは普遍的であり、また、年代や性別、人種を超えて魅力を共感できるものです。外国人の方からは「日本らしさを感じる」と喜ばれることも。
「“和”を意識したことはないのですが、自分の目指すシンプルで潔いデザインが、和の要素と通じるのかもしれません」(宮田さん)。

これからIN THE FORESTには、冬に向けて霜柱をモチーフにした新作のピアスと帯留めが登場する予定です。また、来年からは「新しいシリーズにとりかかろうと思っています」と、宮田さん。
自然の中の小さな生命へ向ける眼差しと、ていねいな仕事が感じられる作品の数々。これからも宮田さんのアクセサリーから目が離せません。

photo / YURI MIYATA

IN THE FOREST

http://yurimiyata.net/

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