広がるイメージをシルクスクリーンで描き、形にする「bird camp」のものづくり

シルクスクリーン(手捺染)でプリントしたテキスタイルで、さまざまな布雑貨を展開する「bird camp」。一つ一つ手作業だからこそ生まれる一期一会のデザインとあたたかみが、日常をやさしく彩ります。
 かな 読者ライター

デザインから縫製まで、一人で仕上げるソロワーク

オリジナルデザインをシルクスクリーンで刷り、その生地からプロダクトを製作する岩淵芙美子さんのソロワーク「bird camp」。トートバッグや洋服、ポーチなど、テキスタイルデザインの下書きに始まり、プリント、縫製まで、自身で手がけている岩淵さん。たった一人の創作活動だからこそ、そこに独自の世界観が生まれてきます。

デザインは、浮かんだイメージの先に生まれる“だれか”の物語

重なる三角、葉っぱの影、ティアドロップと色合いの濃淡…「bird camp」が織り成す世界は、まるでいつか見た風景のように、手に取った人をノスタルジックな気分へと誘います。そのソースとなるのは、言葉や音楽。メロディを何回も聴き、並んでいる言葉を何度も見つめながら、そこから浮かぶ風景やリズムが図形になるところまで下書きを繰り返すという岩淵さん。そして、出来上がったデザインを見た人がいろいろな物語を想像できるよう、できるだけ抽象的な柄を使って描いているのだそうです。

ものづくりへのたくさんの愛情が込められた布アイテム

友人のかばんの製作からスタートしたという「bird camp」は、その初めての製作のときにこだわった“ずっと使ってもらうために、その人のことをたくさんたくさん考えて大切に作る”という思いが原点となり、今の“ものづくり”へとつながっています。そして、手作りの風合いは使うほどに表情を変え、味わいを増していくのも魅力。ちょっと大きなかばんも手のひらサイズの小物も、同じように個性を放ちながら少しずつ生活の空気になじみ、ずっと使い続けたくなるオンリーワンになっていくのです。

“もの”から人へ、人から人へ、各地でcampを展開中

日本各地のマーケットイベントや雑貨店のフェアに出店し、ときにはシルクスクリーンの体験ができることも。また、今年は個人での販売会も企画しているそう。さらに、長崎のプライベートブランドとコラボレーションしたアイテムも登場しています。
 「自分が作ったものを通してたくさんの人に出会えたら、そのつながりを周りの人たちにもつなげていけるような、そんな糸を紡ぐような活動をしていけたらいいなとずっと思っています」と岩淵さん。静かにキラキラと輝くような「bird camp」の糸が、これからどんな広がりを見せていくのか楽しみですね。

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