猫が教えてくれること「作るもの」/陶芸家&イラストレーター・山中正大さんの場合vol.1
猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。陶芸家&イラストレーターの山中正大さんも、その一人。猫の「ウキウキ」と暮らし始めてすぐ、山中さんはご自身の作家人生に大きなプレゼントをもらいました。その中身とは一体…?
- 2018.11.25
- ライフスタイル
強そうでいて、超ビビりなメインクーンのウキ様
フサフサの長毛に「天使の輪」ができるほどよく手入れされ、よく食べ、よく眠り、よく育って、現在の体重はなんと10キロ!そんな「ウキウキ(以下、ウキ)」はメインクーンのオス・5歳です。ウキは1歳の時に、縁あって陶芸家でありイラストレーターの山中正大さんと暮らし始めました。
子どもの頃から動物が大好きだったと山中さん。動物を飼いたくて飼いたくて、でも飼えなくて。大人になり一人の住みかを得て、動物と暮らせる環境が整ってから、ようやく迎えたのがウキでした。
子どもの頃から動物が大好きだったと山中さん。動物を飼いたくて飼いたくて、でも飼えなくて。大人になり一人の住みかを得て、動物と暮らせる環境が整ってから、ようやく迎えたのがウキでした。
山中さんは普段、ウキのことを「ウキ様」と呼んでいるそうです。話を聞く前から、二人の関係性がよくわかりますね。でも、恥ずかしいのか、取材中はウキのことを「コレ」とか「アレ」と言って、一度も「ウキ様」とは言ってくれませんでした。
でも、その代り、まるで自分の子どもや最愛の恋人、大切な友人のことを語るようにウキ様とのエピソードを嬉しそうに、照れくさそうに語る山中さん。
「体も大きいし、強そうな顔をしているでしょう?でも、実際は『超』がつくほどのビビりなんです(笑)。自転車で1、2分の動物病院へ行くのに、家を出た瞬間に泡を吹いたかと思ったら、今度は自転車に酔ってゲロゲロゲロ~。動物病院のスタッフさんも『見た目は強そうなのにね…』って苦笑い」
でも、その代り、まるで自分の子どもや最愛の恋人、大切な友人のことを語るようにウキ様とのエピソードを嬉しそうに、照れくさそうに語る山中さん。
「体も大きいし、強そうな顔をしているでしょう?でも、実際は『超』がつくほどのビビりなんです(笑)。自転車で1、2分の動物病院へ行くのに、家を出た瞬間に泡を吹いたかと思ったら、今度は自転車に酔ってゲロゲロゲロ~。動物病院のスタッフさんも『見た目は強そうなのにね…』って苦笑い」
笑えてほっこり、トホホな話
「外」と同じくらい、ウキ様が苦手なのが「お風呂」だそうです。
「お風呂はすごく嫌がります。水に濡れて全身の毛がぺちゃんこになった貧相な姿で、本当に悲しい声で鳴くんですよ(笑)。心が痛いけれど、毛玉ができにくくなるし、皮膚にもいいと聞いたので、ワンシーズンに1回は入れるんです。心を鬼にして」
ウキ様の美しい容姿は、山中さんの日々のお手入れの賜物。自他ともに溺愛を認める山中さんの元で、「外」と「お風呂」以外は悠々と暮らすウキ様。家の中では本来の好奇心を発揮しているようで…。
「体が大きい分、力も強いので、人間のトイレの蓋を軽々、開けちゃうんです。ちゃんときれいな飲み水を用意しているのに、なぜかトイレの蓋を開けて、便器の水を飲みたがって…。だから、面倒なのですが、トイレの蓋には重しを乗せてます。
またある日は、帰宅すると、キッチンの水道がものすごい勢いで流れていて。蛇口の横のシンクに、香箱を組んでコレが座っているんです。優雅に、冷静な顔をして。でも、跳ね上がる水しぶきで、半身がびしょびしょに濡れていて(笑)。蛇口がレバーのタイプだから簡単に水が出せるんですよね。一度では飽き足らず、何度も同じ事を繰り返したので、陶器で水道カバーを作りました(笑)」
「お風呂はすごく嫌がります。水に濡れて全身の毛がぺちゃんこになった貧相な姿で、本当に悲しい声で鳴くんですよ(笑)。心が痛いけれど、毛玉ができにくくなるし、皮膚にもいいと聞いたので、ワンシーズンに1回は入れるんです。心を鬼にして」
ウキ様の美しい容姿は、山中さんの日々のお手入れの賜物。自他ともに溺愛を認める山中さんの元で、「外」と「お風呂」以外は悠々と暮らすウキ様。家の中では本来の好奇心を発揮しているようで…。
「体が大きい分、力も強いので、人間のトイレの蓋を軽々、開けちゃうんです。ちゃんときれいな飲み水を用意しているのに、なぜかトイレの蓋を開けて、便器の水を飲みたがって…。だから、面倒なのですが、トイレの蓋には重しを乗せてます。
またある日は、帰宅すると、キッチンの水道がものすごい勢いで流れていて。蛇口の横のシンクに、香箱を組んでコレが座っているんです。優雅に、冷静な顔をして。でも、跳ね上がる水しぶきで、半身がびしょびしょに濡れていて(笑)。蛇口がレバーのタイプだから簡単に水が出せるんですよね。一度では飽き足らず、何度も同じ事を繰り返したので、陶器で水道カバーを作りました(笑)」
ウキ様にまつわる山中さんのトホホな話はすべて、「でもそれでいい。それがいいんです」という言葉にしない言葉で締めくくられているような気がして、笑えてほっこり。
ウキ様は「ビジネスパートにゃ~」
猫が教えてくれること。ウキ様が山中さんに教えたのは「作るもの」でした。山中さんは陶磁器メーカーのデザイナーを経て、現在は、陶芸教室の講師をしながら作家活動をされてます。
「作家になって5年くらいは、自分の作品のテーマやモチーフに迷いがありました。動物とは決めていましたが、何の動物がいいのかわからず、家から近い上野動物公園の年間パスポートを購入して、毎日のようにいろいろな動物の檻の前でスケッチを繰り返して模索して。
コレが来る前も猫の作品を手掛けていないわけではありませんでしたが、でも、ウキに『猫でいいんだよ』と許してもらったというか、教えてもらったような気がして」
「作家になって5年くらいは、自分の作品のテーマやモチーフに迷いがありました。動物とは決めていましたが、何の動物がいいのかわからず、家から近い上野動物公園の年間パスポートを購入して、毎日のようにいろいろな動物の檻の前でスケッチを繰り返して模索して。
コレが来る前も猫の作品を手掛けていないわけではありませんでしたが、でも、ウキに『猫でいいんだよ』と許してもらったというか、教えてもらったような気がして」
ウキ様が山中さんの元へやって来て5年。山中さんのオリジナル作品は猫一色となりました。モデルはもちろんウキ様。
「迷いがなくなり、リラックスして作れている気がします。すべてのアイデアはココ(ウキ様)にありますから」。
ウキ様の造形や骨格、筋肉の躍動、その一挙手一投足が、山中さんの作品に投影されています。ウキ様との日々を4コマ漫画で綴っている、山中さんのTwitter(@mshr_0612)。4コマのタイトルは「ビジネスパートにゃ~」です。正に、ですね。
自分は何に魅せられ、どんなことに心が震えるのか。それがわかったら、きっと人は強くなれるのでしょうね。軸があるから柔軟になれるように。さて、次回は、ある日、山中さんを襲った猛烈な胃腸風邪と、その時のウキ様の予想外の行動についてです。お楽しみに!
「迷いがなくなり、リラックスして作れている気がします。すべてのアイデアはココ(ウキ様)にありますから」。
ウキ様の造形や骨格、筋肉の躍動、その一挙手一投足が、山中さんの作品に投影されています。ウキ様との日々を4コマ漫画で綴っている、山中さんのTwitter(@mshr_0612)。4コマのタイトルは「ビジネスパートにゃ~」です。正に、ですね。
自分は何に魅せられ、どんなことに心が震えるのか。それがわかったら、きっと人は強くなれるのでしょうね。軸があるから柔軟になれるように。さて、次回は、ある日、山中さんを襲った猛烈な胃腸風邪と、その時のウキ様の予想外の行動についてです。お楽しみに!
筒井聖子
陶芸家&イラストレーター
山中正大
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