人間関係、恋愛、仕事…悩める女性におすすめしたい、ホン・サンス監督の最新映画4作品
6月9日(土)より公開する映画『それから』を皮切りに続々と上映される、ホン・サンス監督の4作品は、うまくいかない現状をもどかしく感じる女性におすすめしたい珠玉の作品です。どの作品も主人公は自分らしく生きようとする女性たち。世知辛い現代社会を「豊かに過ごす」ヒントが散りばめられた4作品の魅力をご紹介!
- 2018.5.25
- アート・カルチャー
世界で注目される、ホン・サンス監督とは?
6月9日(土)公開の映画『それから』を皮切りに、『夜の浜辺でひとり』『正しい日 間違えた日』『クレアのカメラ』と4作品が次々と公開されるホン・サンス監督は、韓国ソウル生まれの56歳。近作のミューズ、女優キム・ミニとの関係を公言して世間を騒がせたことも理解できてしまうような、ロマンスグレーのダンディーなおじさまといった風貌です。ちなみに4作ともヒロインはキム・ミニ。『夜の浜辺でひとり』で第67回ベルリン国際映画祭主演女優賞(銀熊賞)に輝いた、演技力に定評ある韓国出身の女優です。
ホン・サンス監督の作風は、「韓国のウディ・アレン」「韓国のジャン=リュック・ゴダール」「エリック・ロメールの弟子」などと、映画史を築いてきたエポックメーキングな監督らと引き合いに出されるように、アーティスティックで余計な演出をしないミニマニズムなタッチが特徴です。一つの場面を、カットを切らずに長回しで撮影するワンシーン・ワンカットで構成される即興劇のような作品は、ドキュメントのようでリアリティたっぷり。たわいのない男女の会話劇から、恋愛模様や物事の本質を浮き彫りにしてゆき、何気ないワンシーンのなかに人生の教訓になるような暗喩が散りばめられています。個性的な作風なので、初めて観る方は難しく感じるかもしれませんが、鑑賞後、心の琴線に響くなにかを感じられるはず。早速、女性視点で楽しむ4作品の魅力を紐解いていきましょう。
ホン・サンス監督の作風は、「韓国のウディ・アレン」「韓国のジャン=リュック・ゴダール」「エリック・ロメールの弟子」などと、映画史を築いてきたエポックメーキングな監督らと引き合いに出されるように、アーティスティックで余計な演出をしないミニマニズムなタッチが特徴です。一つの場面を、カットを切らずに長回しで撮影するワンシーン・ワンカットで構成される即興劇のような作品は、ドキュメントのようでリアリティたっぷり。たわいのない男女の会話劇から、恋愛模様や物事の本質を浮き彫りにしてゆき、何気ないワンシーンのなかに人生の教訓になるような暗喩が散りばめられています。個性的な作風なので、初めて観る方は難しく感じるかもしれませんが、鑑賞後、心の琴線に響くなにかを感じられるはず。早速、女性視点で楽しむ4作品の魅力を紐解いていきましょう。
自分らしい生き方について考えたくなる『それから』
モノクロ映像が美しい『それから』は、ある1日のハプニングとその後を描く物語から、周囲に流されない女性のかっこいい生き方と、滑稽にも見える男の性を浮き彫りにした人間ドラマです。
主人公は小説家希望のアルム。著名な評論家で個人出版社を営むボンワンの会社に勤めることになったアルムは、初出勤日、突然会社を訪れたボンワンの妻から不倫相手と勘違いされてしまいます。アルムの前任者はボンワンと不倫関係にあった女性だったのです。すったもんだの末、結局、アルムは会社を辞めさせられることになり……。
社会的な地位や名声を築いても豊かな人生とはいいがたいボンワンと、理想的ではないものの、自分のポリシーを貫いて伸びやかに暮らすアルム。二人の生き様から、自分らしく生きることについて考えさせられる作品です。
主人公は小説家希望のアルム。著名な評論家で個人出版社を営むボンワンの会社に勤めることになったアルムは、初出勤日、突然会社を訪れたボンワンの妻から不倫相手と勘違いされてしまいます。アルムの前任者はボンワンと不倫関係にあった女性だったのです。すったもんだの末、結局、アルムは会社を辞めさせられることになり……。
社会的な地位や名声を築いても豊かな人生とはいいがたいボンワンと、理想的ではないものの、自分のポリシーを貫いて伸びやかに暮らすアルム。二人の生き様から、自分らしく生きることについて考えさせられる作品です。
未来の見えない恋愛に悩んでいる人は『夜の浜辺でひとり』
不倫関係に悩む女性の心境を抒情的に綴っているのが『夜の浜辺でひとり』です。
映画監督との不倫関係を清算すべく、すべてを捨ててドイツ・ハンブルグにやって来た女優ヨンヒ。遠く離れた土地を訪れても彼女の恋心に折り合いがつけられません。その後、韓国に帰国し、友人が住む江陵を訪れたヨンヒは、仲間に励まされ、新たな一歩を踏み出そうとしますが……。
なかなか前を向けないでいる妙齢女性であるヨンヒに、共感できる女性も少なくないはず。危なげながらも一人で歩み出すヨンヒの姿から、新たな一歩を踏み出す勇気をもらえそうです。
映画監督との不倫関係を清算すべく、すべてを捨ててドイツ・ハンブルグにやって来た女優ヨンヒ。遠く離れた土地を訪れても彼女の恋心に折り合いがつけられません。その後、韓国に帰国し、友人が住む江陵を訪れたヨンヒは、仲間に励まされ、新たな一歩を踏み出そうとしますが……。
なかなか前を向けないでいる妙齢女性であるヨンヒに、共感できる女性も少なくないはず。危なげながらも一人で歩み出すヨンヒの姿から、新たな一歩を踏み出す勇気をもらえそうです。
恋愛のタイミングの活かし方を知るなら『正しい日 間違えた日』
運命的に出会った二人の1日を、2パターンの展開で描くラブストーリーです。
映画監督のハム・チュンスは映画祭に参加するため、韓国の地方都市・水原にやって来ます。たまたま訪れた観光名所で魅力的な女性ヒジョンと出会ったチュンス。意気投合した二人はお酒の力を借りて距離を縮めますが……。
物語は前後編の2部構成で、前半は選択を間違えたせいで最低な一日に、後半は正しい選択のおかげで、すべての歯車がかみ合ったような最高の一日を描いています。タイミングや言葉の遣い方次第で、人生が変わることを教えてくれる作品です。自分の恋愛を追体験しながら観れば、大事な場面で人生の選択を間違わずにすむかもしれません。
映画監督のハム・チュンスは映画祭に参加するため、韓国の地方都市・水原にやって来ます。たまたま訪れた観光名所で魅力的な女性ヒジョンと出会ったチュンス。意気投合した二人はお酒の力を借りて距離を縮めますが……。
物語は前後編の2部構成で、前半は選択を間違えたせいで最低な一日に、後半は正しい選択のおかげで、すべての歯車がかみ合ったような最高の一日を描いています。タイミングや言葉の遣い方次第で、人生が変わることを教えてくれる作品です。自分の恋愛を追体験しながら観れば、大事な場面で人生の選択を間違わずにすむかもしれません。
出会いの大切さに気付かされる『クレアのカメラ』
偶然の出会いが人生を変える可能性があることを描いた、SF要素を含む人間ドラマ『クレアのカメラ』。
カンヌ国際映画祭に仕事で来ていた映画会社に勤めるマニは、女社長から突然、解雇されてしまいます。マニとソ監督との関係を知った女社長の嫉妬心が原因でした。心の整理がつかないマニは帰国せず、カンヌに残ることに。ある日、海辺を散歩していると、写真を撮ることが趣味と話す女性、クレアと出会います。「ポートレートを撮ると、写真を撮る前と撮った後では、その人は別人になる」と不思議なことを言うクレアと、彼女に写真を撮られたマニ。果たしてマニの人生は変わるのか!?
人生起きることすべてに意味があることを示唆している物語です。忙しない毎日のなかで大切なことを見過ごしていないか?そんなことを考えさせられ、日々の生活を顧みたくなる作品です。
4作品ともに自分らしく生きる女性を見つめた物語です。
映画から刺激を受け取って、豊かな人生を送るヒントを見つけてみてはいかがでしょうか?
カンヌ国際映画祭に仕事で来ていた映画会社に勤めるマニは、女社長から突然、解雇されてしまいます。マニとソ監督との関係を知った女社長の嫉妬心が原因でした。心の整理がつかないマニは帰国せず、カンヌに残ることに。ある日、海辺を散歩していると、写真を撮ることが趣味と話す女性、クレアと出会います。「ポートレートを撮ると、写真を撮る前と撮った後では、その人は別人になる」と不思議なことを言うクレアと、彼女に写真を撮られたマニ。果たしてマニの人生は変わるのか!?
人生起きることすべてに意味があることを示唆している物語です。忙しない毎日のなかで大切なことを見過ごしていないか?そんなことを考えさせられ、日々の生活を顧みたくなる作品です。
4作品ともに自分らしく生きる女性を見つめた物語です。
映画から刺激を受け取って、豊かな人生を送るヒントを見つけてみてはいかがでしょうか?
『それから』
監督・脚本:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、キム・セビョク、チョ・ユニ、キ・ジュボン、パク・イェジュ、カン・テウ(17年/韓国/91分)
配給:クレストインターナショナル
6月9日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
『夜の浜辺でひとり』
監督・脚本:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョン・ジェヨン、ソン・ソンミ、ムン・ソングン(17年/韓国/101分)
配給:クレストインターナショナル
6月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
『正しい日 間違えた日』
監督・脚本:ホン・サンス
出演:チョン・ジェヨン、キム・ミニ、コ・アソン、チェ・ファジョン、ソ・ヨンファ、ユン・ヨジョン (15/韓国/121分)
配給:クレストインターナショナル
6月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
『クレアのカメラ』
監督・脚本:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、イザベル・ユペール、チャン・ミヒ、チョン・ジニョン、ユン・ヒソン、イ・ワンミン、カン・テウ、マーク・ペランソン、シャヒア・ファーミー(17年/韓国/69分)
配給:クレストインターナショナル
7月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
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